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内容説明
古今の文豪たちが手がけた「怪談」―怖い話や不思議な話通じて日本語と日本文学の奥深い魅力に親しむアンソロジー・シリーズ。
著者等紹介
東雅夫[ヒガシマサオ]
1958年、神奈川県生まれ。アンソロジスト、文芸評論家。元「幻想文学」編集長で、現在は怪談専門誌「幽」編集顧問。『遠野物語と怪談の時代』で日本推理作家協会賞を受賞
山科理絵[ヤマシナリエ]
1977年、千葉県生まれ。絵師。和紙に日本画の岩絵の具や墨、鉛筆などで描く。武蔵野美術大学造形学部日本画学科卒業。百貨店、画廊、アートフェアなどでの個展や企画展を中心に作品を発表(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
mocha
112
夏目漱石の「夢十夜」と、それに触発された文豪たちの夢にまつわる作品集。字が大きくて総ルビ、山科理絵さんの挿絵もふんだんなジュニア向だが、読み応えはたっぷり。夢というなんでもありな設定なので、作家たちの想像力がどこまでも羽ばたいて、思うさま書いているように感じられる。そして編者・東雅夫氏の註釈が素晴らしい。耳慣れない言葉の説明だけでなく「アニメ映画『君の名は。』のシーンを想像してみよう」とか「○頁 ☓☓さんの作品と響き合っている」など、読み逃せない解説になっている。全巻購入したいけど中学生の反応はどうかな。2017/01/31
mii22.
70
ジュニア向けの文豪怪談アンソロジー第一弾「夢」がテーマ。編集が素晴らしい。子供向けとはいえ、すべて原文を使用、分かりやすく総ルビ詳細な注釈がつけられている。解説や付録の「幻妖チャレンジ!」まで大人も楽しめる。漱石「夢十夜」や芥川「沼」は文句なしに好きなお話しだがその他では谷崎の妄想劇場炸裂「病蓐の幻想」狂気的なカタカナ文字で夢Q魔界へ連れ去られる連作「怪夢」が好み。堅苦しいお話しよりこういった文豪の作品を学校教科書でもぜひ取り上げてほしいものだ。日本語の楽しさ、奥深さ、美しさに触れることができるから。2019/08/30
美紀ちゃん
64
夏目漱石「夢十夜」真っ白な百合が鼻の先で骨にこたえるほど匂った。→それほど彼女のことを強く心に感じるということだと思う。 さすが夏目漱石先生の愛の表現素晴らしい! 漱石先生の彼女の墓からは百合の花が咲き、 芥川龍之介先生の「沼」のオレの死骸からは白い睡蓮の花が咲く。 文豪は白い花がお好き。 北杜夫先生の「夢一夜」は初めて読んだが、漱石先生のと同じ書き出しであるにもかかわらず、迫力がハンパない!これぞ怪談!怖すぎる! 日本文学には奥深い魅力がある。読んでいない素晴らしい名作をたくさん読みたい。2020/10/19
にゃおんある
35
現実的であって現実ではないもの。だって現実には直接触れられない、鏡でしか自分を見れないように。正しく直覚できないなら、いっそ世界を写実に見るのを諦めて、印象派の絵画のように捕らえてみるのもよいかもしれない。その手法には多くの可能性があって、そこでは個性が受けいられる。まったく個性というものはいつも、社会的にはうとまれているから。キリストが復活しても気づかれなかったし、心の目でしか見れないものもある。見えない世界を見ることが、真を捉えることにつながっている気がする。2020/09/08
くさてる
31
文学ビギナー向けホラーアンソロジー。夏目漱石「夢十夜」ではじまるのでまさにつかみはオッケー。その他の作家も実力者ぞろいの悪夢ぞろいのアンソロなので、読みごたえはあるものの、ゆっくり読まないと呑まれる気がします。そのなかでも中勘助「ゆめ」はほんとうにため息が出るような作品で、こんなに美しい日本語があるかしらと思った。これぞ教科書に載るべき作品です。2017/09/21