内容説明
一夜にしてつくられた巨大な壁がベルリンのまちをまっぷたつにした。友だちをひきはなし、恋人たちを、家族をはなればなれにした。どんな危険をおかしても、家族みんなでまたひとつ屋根の下で暮らすと決めた少年がいた。
著者等紹介
コール,トム・クロージー[コール,トムクロージー] [Cole,Tom Clohosy]
ロンドンにあるキングストン大学に入学。それ以来ずっとロンドンで、フリーランスのイラストレーター、アニメーターとして楽しく仕事をしている
渋谷弘子[シブヤヒロコ]
27年間、県立高校で英語を教えたのち、通信教育で翻訳を学ぶ(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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mocha
97
一夜にして出来た壁によって家へ帰れなくなった父親。壁のこちら側で待ち続ける家族。なぜ壁ができたか、人びとは、国はどう変わったのか、そんなことは一切描かれていない。暗い色調ながら人物の描き方がポップだし、結末も優しくてあまり悲惨さは感じられない。興味を持つ入り口として、またはディスカッションの材料としては良いかも。カバーを外すと表紙が夜の風景になる。2016/10/11
馨
55
第二次大戦後できたベルリンの壁でお父さんと会えなくなってしまった家族の話。ベルリンの壁の歴史は知っているし崩壊した時のニュースもちょっとだけ記憶にありますが子供だったためあまり覚えていません。大人になってからの方が読み応えあります。この絵本はハッピーエンドだけど実際は壁を越えようとした人たちの悲しい歴史が沢山あったと思います。2016/10/22
小夜風
32
【図書館】解説でも良いから背景をもう少し詳しく知りたかったかなって思います。自分が高校の時に崩壊したベルリンの壁……今の子どもたちはその壁がどれだけ理不尽で辛く恐ろしいものだったのか、その壁が実在した時代を知っている自分たちのようには理解出来ないんじゃないかなって感じます。本当にこんなトンネルで脱出出来た家族がいたのかな。こんな兵士がいたのかな。2015/10/27
ヒラP@ehon.gohon
28
ベルリンの壁が取り壊されて、もう35年も経つのだと感慨ひとしおです。 この絵本のように、家族が別れ別れになってしまったケースも多かったでしょう、強引に壁を乗り越えようとして命を失ったケースも少なくないのでしょう。 ベルリンの壁はなくなったけれど、家族が別れ別れにされてしまうことは、今もなお起こっていることを認識しなければいけないと思います。2024/08/28
あおい
25
多くの家族、友人、恋人を離れ離れにしたベルリンの壁。壁の向こうに取り残された父親に会うためトンネルを掘る少年。絵は優しいけれど息がつまるような暗い色彩が緊迫感を煽る。2015/10/16