感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
やすらぎ
158
人が口から発する言葉と、心に固く誓う感情が決して同じとは限らない。人と人との争いが繰り返されるほど、永遠に終わらないと諦めてしまう絶望。否、人は反省し学び成長するはずである、望みを決して捨てない有望。はだしのゲンの他者を慮る行動に胸を打たれる。生きる気力がなくなってしまった友をどうにかして救おうとする情。そして魂に火をつける気力。社会はたった5年で変わっていく。過去を都合よく解釈する者も出てきてしまう。生き残った兄2人と元、それぞれの目指すべき道を歩きだす。諦めてしまったら終わりである。真の平和を求めて。2024/01/22
八百
25
「オース」「メース」「サース」の下ネタで始まるプププな学園ドラマ風第8巻。だがそんな和やかさも束の間、中学に進学したゲンを待ち受けるのは学校までも巻き込んで吹き荒れるレッドパージの嵐であった。市民球団カープの創立に朝鮮戦争景気と湧く街の活況の裏で死の商人や未だ人々を蝕む原爆症の暗躍はゲンの心を痛めつける手を緩めない。そんな光と影が交差する一度は焼け尽くされた再生の土地に自立の誓いを刻み踏み出すゲンに明るい未来あらんことを祈るのみ2016/07/24
シッダ@涅槃
23
長文書いたが操作ミスで消し飛んだ。よって要点のみ。 ①思想が左がかり過ぎて、左派への提灯漫画ではないか、と思ってしまったこと。作者の言う「リラックスしながら、子供が作品の中にはいっていけるよう」な作品では少なくともない。(ゲンは既に頭が良すぎる… ) ②時代状況が近すぎて驚いている。右派政権のときに横暴というような政治(日本とアメリカ両方)。加えて経済的な格差。ただその中で現代ではあっさり抑圧されてしまった声を拾っていることはさすがである。2018/08/04
コウメ
14
戦争の時は戦争しないと非国民と戦争し、戦争した後は平和平和と叫ぶ、ローマ時代から戦争があるからななくらへんのやろうか?戦争は!!2019/03/25
森本コスオ
11
終戦から5年が経っている広島。朝鮮戦争の始まりと核兵器保有国の増加。戦争の苦しみは飛び火を続け、残っている日本人には原爆による後遺症が依然蔓延る。平和思想への徹底した抑止や戦争産業への加担。ゲンは中学生になった。また親しい人を傷つけられ、苦しんでも、意志を曲げず奮い立つ。ただこの姿に勇気をもらう。2015/06/15