内容説明
アイルランド、スコットランド、ウェールズ、コーンウォール…。ブリテン島各地に住む妖精たちのお話。
目次
1 妖精を知る12章
2 スコットランドの妖精譚
3 ウェールズの妖精譚
4 イングランドの妖精譚
5 アイルランドの妖精譚
6 コーンウォールの妖精譚
7 マン島の妖精譚
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
翔(かける)
35
スウェンドソンの『魔法使いの陰謀』を読んでいたら、妖精についてもっと知りたくなり、手に取りました。日本の妖精博士(フェアリー・ドクター)・井村君江さんの著書。妖精の簡単な特徴を導入とし、ブリテン島の各箇所に伝わる妖精譚を紹介しています。子どもを背に乗せたまま湖の中に入って溺死させる馬の妖精や、召使いとして人間を助ける妖精など、ファンタジーで読んだことのある逸話がたくさんあるのでおもしろかったです。グリム童話の『ルンティルシュティルツヒェン』に似たお話もあったのでびっくりしました。つながっているのね。2018/06/11
えーた
8
イギリスの各地域に伝わっている妖精譚を紹介した本。妖精とは何か、どんな所に住んでいるのか、という解説から始まって、スコットランド、イングランド、ウェールズ、アイルランド、コーンウォール、マン島など、イギリスの諸地域の妖精譚が全部で45篇収められている。個人的にはスコットランドの章が面白かったです。とりあえず、家事を手伝ってくれる妖精さんには衣服を与えてはいけない事だけは覚えた。ハリーポッターに出てくる「屋敷下部ドビー」の元ネタはここから来てたのね。きたのじゅんこさんの透き通るような美しい挿絵も素晴らしい。2017/05/10
紅蓮
6
古代宗教の自然観や宇宙観に興味があり、そうしたアニミズムを現代へ色濃く残す妖精学にワクワクしながら手にした一冊。妖精を見やすい日=妖精界が人間界に近づく日でそれは5月1日、6月24日、10月31日だそうだ。日暮れ時、真夜中(満月が最適)、日の昇る直前、正午がいいらしい。「肝臓が嫌いなアハ・イシュキ」「人間嫌いの危険なドゥアガー」「クルラホーンの家来になった酒飲み」「王様と取引をしたファウル・ウェザー」がとくに面白かった。ケルトって改めて素敵。2014/01/28
はち
2
イギリス各地に伝わる妖精に関わる物語集。残酷な妖精もいれば、家の手伝いをしてくれる妖精も。いろいろな妖精が出てきましたが、その違いは判りにくいです。でもイギリスの丘に行けば、まだ彼らと会えるのかも、という気分になる本です。2016/09/10
てつこ
1
自然現象や常識では説明できないような不可思議な現象を、妖精として擬人化してきた英国の文化。神秘的な姿かたちと、人間と共存するもの、害をなすもの等の様々なキャラクターを作り出す想像力の豊かさに驚かされる。日本に八百万の神が存在するように、英国には限りない数の妖精が存在している。2020/04/20