内容説明
古ぼけた一枚の写真、それが「疑惑」の始まり。ナチスの強制収容所ではいったい何が行われていたのか?老警部ベアラッハの大胆な推理とその結末は…20世紀スイスを代表する劇作家デュレンマットが、若くして世に問うた推理小説。
著者等紹介
平尾浩三[ヒラオコウゾウ]
中世ドイツ文学・ドイツ語史専攻。東京大学教授、慶應義塾大学教授、日本橋学館大学教授等を歴任。現在:東京大学名誉教授(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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Нелли(ネリ)
1
一枚の写真から生まれた「疑惑」を、病床の老刑事が追い求めるミステリー。時折怪奇アンソロジーに選ばれるデュレンマットのイメージとは程遠い……と思っていました前半までは。第二部で、疑惑のサイコな医者と対峙してからは印象が変わる。閉鎖された空間で恐怖が這いより狂気へと近づいていく後半は、その後の短編群へと繋がる萌芽だ。ところでここ一ヶ月半、ナチス絡みの小説を読むのはこれで3冊目。中身を知らずに選んでこの結果とは何の因果か。2016/10/04
tommyknocker
1
前作同様翻訳に違和感。デュレンマット戯曲集など現在は徐々にデュレンマット作品の翻訳が進みつつあるからこそ、それが残念である。2015/06/10