内容説明
ゲットーの壁を越えたゲットーの物語。舞台は戦時下のポーランド。ヤーコプはある晩、ゲシュタポ本部で「帝国軍隊は、…ソ連軍をベツァニカの後方二十キロの地点でよく食い止めました。…」というラジオのニュースを耳にする。ベツァニカといえばそれほど遠くない。ということはゲットーの解放ももうすぐだ。しかし、それはヤーコプにとって新たな災厄の始まりだった。
感想・レビュー
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momonnga
5
ナチスの支配下にあるユダヤ人ゲットーが舞台。主人公のヤーコプはたまたまゲシュタポ本部のラジオからソ連軍がすぐ近くの街ベツァニカまで来ている事を知る。ゲットーの人に生きる希望を持たせる為に彼は持つ事を禁じられているラジオを所持していると嘘をつき皆にソ連進軍のニュースをばら撒くのだった。やはり生きるには希望が必要…でもベツァニカ近くにソ連軍がいる事以外知らないヤーコプは辻褄を合わせるために嘘をつき続けることになる。嘘が希望になる事もある。2023/11/22
Yumi Ozaki
1
「聖なる嘘つき」の原作を読みました。映画でストーリーがわかっていたので読み飛ばした部分もありました。嘘つきと言われても正直な心を持った、そして絶望しないヤーコプさんが好きでした。2021/11/03