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著者等紹介
アイヒンガー,イルゼ[アイヒンガー,イルゼ][Aichinger,Ilse]
1921年11月1日ウィーンで生まれる。1947年に最初の長編小説『より大きな希望』を書く。1952年に『鏡物語』でグルッペ47賞を受賞
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
どんぐり
67
表題作を含めたカフカ風幻想小説9篇。司令部に封書を届けるよう指示を受けた兵士が、こっそり開封してみると自分の銃殺の指示が書かれた《開封された指令》。湖でボートを岸に着けようとするとエンジンを止められなくなり、ガソリンが切れるまで湖を周回すると、今度は湖の水がエンジンを動かし、それで止めようとして岸に乗り上げたら、空気でエンジンが動くようになりボートは男とともに天に上っていく《湖の幽霊たち》。解説には「絞首台の上から物語り始めて、人生そのものを物語る」とあったが、どの作品も理解するのに困難を覚える。2020/04/02
きゅー
14
イルゼはこの一連の物語は「みな明らかに終末から始まって終末に向かって演じられている」と説明する。半ユダヤ人として第二次大戦を生きた彼女にとって物語は終末から始まるものかもしれない。しかしなぜ「終末に向か」わなければならないのか。彼女は「我々が正しく受け止めれば、我々に敵対して向かってくるように見えるものの向きを変えることが出来る」とも言う。だから彼女は希望を抱くために絶望に向かう。そして、この逆説的な問いは長編『より大きな希望』でも顕著だった。奪われた者はより豊かになり、卑しめられた者はより高貴になる。2018/04/04
iwri
4
カフカ嬢と呼ばれたという話があとがきにも出ていたけれど、個人的にはあまりカフカ的という感じはしなかった(絞首台の上の演説は少しカフカっぽかったかも)。寓意的ではあるが、透明で清澄で鋭いという印象。表題作「縛られた男」が一番気に入った。2015/12/24
指
1
どれも素晴らしかった。鏡物語や絞首台の上の演説の語りが面白いし、開封された指令や月物語なども気に入っている。他も、難解ではあるけれどそれぞれ印象的。2009/10/19
Ksbutm
0
「開封された指令」はなんだかテレビ番組の「世にも奇妙な物語」に出てきそうな話だと思った。2016/02/06
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