内容説明
父は「民族の殺人者」、ユダヤ人大量殺戮の実行者だった。衝撃のインタヴュー。
目次
外界との決別
ハリウッド
想い出に魅了され
血にまみれた宝
牛のペニスの鞭
銀の枕とモニーからのキス
バルコニーでのしつけ
鋭く、生々しく
霧の中での追跡シーン
秘密の引出し〔ほか〕
著者等紹介
伊藤富雄[イトウトミオ]
1948年生まれ。立命館大学教授。専攻、オーストリア現代史、オーストリア文学(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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こばまり
42
先頃読んだ『祖父はアーモン・ゲート』の著者ジェニファー・テーゲが、自らのルーツを知るきっかけとなった一冊。アーモンの娘で、ジェニファーの生みの親であるモニカが受けた実験的ロングインタビューが生々しく再現されています。親が子に与える影響力の凄まじさと、真実を知ろうとしない自己防衛本能に戦慄しました。全編に亘り家族がテーマとなっているこの本の中で、彼女がナイジェリア人男性との間に設けたもう一人の子、ジェニファーについて一言も触れていないという事実にも。2015/02/11
井戸端アンジェリか
11
中を開くまでは、どんな親でも親は親とか親は選べないものね~なんて軽く考えてた。父をレット・バトラーに、母をスカーレット・オハラに、収容所の人たちをタラの奴隷たちと同じに見る、想像以上の偶像化にはタマゲタ。インタビュー形式が精神科のカウンセリングのように思えてきた頃、少しだけモニカを理解できたかな。私自身今まで、戦争だもの仕方ないじゃんと感じていたアレコレが『殺人は殺人なのです』の言葉で、やっと気づかされたと言うか目を覚まされた。やんなっちゃうね。唯一母だけが狂った父を止められたはずなのになぁ....。2015/09/05
桐一葉
0
図書館。モニカさんの娘が書いた本が読みたかったけど、先にこっちが手元にきた。ユダヤ人がなぜそこまで忌み嫌われ、追いやられるのか未だに分からへんから、探して読み続ける。なぜそこまでゲートは残虐なことができたのか、そっちも気になる。あたしは常に虐げられた人の気持ちを読みたいんやな、、と気づいた2014/09/01
livres
0
もし、自分の父親が、強制収容所の司令官だったら…。ユダヤ人への大量虐殺を書いた本はたくさんあるが、この本は小説ではなく、対談だ。モニカが両親やその他のことについて語っているので、モニカの知っていることと、事実が異なることもある。モニカの心の中の真実は、信じたいと思っている真実や、抹消してしまいたい真実、モニカの希望から生み出された真実など色々な真実がある。こんなに長い年月がたってしまった後で、残された家族に、一つ一つの正しい真実を突き付けるという作業は、本当に必要だったのだろうか?2010/10/30