内容説明
著者自身が体験した「頭がなくなる」状態―自分の名前も理性もすべてが消え去って、空気よりも軽くガラスよりも透明な自己の一切が解放された状態―に入る方法やこの体験と禅との関わりなどを論じる。
目次
第1章 真に見ること
第2章 「見る」ことの意味
第3章 禅の発見
第4章 話を今日に引き寄せる―無頭道八つの階梯
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
無能なガラス屋
4
「ありがたいことに、本当の「自己の認識」はいったん十分価値を認め定着させると、わざわざ維持するためにあれこれしなくても、あるレベルで持続すると信じてよい。それは人を愛するのと似ている。何時間か相手の名前を思い出さなかったからといって、愛する気持ちが薄れたことにはならないはずである。」2022/12/11
iwafune
2
「見る」ことを八つの階梯に分けて書いてあるところは、独習者にはとても親切。それほど分厚い本でもないが、自我の抵抗もあり、読むのに骨が折れた。2014/01/04
哲学(てつまなぶ)
1
「わが人生の最良の日…いわゆる生まれ変わった日…は自分の頭がなくなっていることに気づいた日である。」P13「私は頭をなくし世界を手に入れたのである。」P15-16「それは議論や思惟や言葉を超え、このうえなく単純明快で直線的であった。体験そのもの以外になの疑問も考えも起きず、ただ安らぎと静かな歓びと耐えがたい重荷を振り捨てたという感動を覚えるだけだった。」P17 ひたすら自らの体験という事実を確認することで、この体験は「無頭道」という「道」に発展していくのである。2013/09/26