感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
フンフン
5
帝国陸軍80年の歴史を描く。明治期の健軍の苦難があり、陸軍は国民の軍隊として成長した。そこでは読み書きも満足にできない兵隊を「良兵は良民」となる教育が施された。日清・北清・日露の戦役では日本軍の軍紀厳正は世界の称賛を受けた。だが、戦勝はおごりを生み、軍は国民から離れて天皇の軍隊となった。日中戦争の占領地での不軍紀行為の数々はすでに語りつくされた感があるが、本土決戦のために応急動員された軍隊は内地でも中国占領地ばりに略奪暴行を行なった。本当に本土決戦が行われていたら、沖縄のような住民への暴虐も起きただろう。2021/07/13