目次
第1章 阪神・淡路大震災と災害救援者(無力感と罵声の中で;職場を失った看護師たち ほか)
第2章 惨事ストレスとは何か(惨事ストレスの発見;デブリーフィングの登場 ほか)
第3章 惨事ストレスを理解するために―さまざまな事例から(一九九五年三月二〇日;9・11の衝撃 ほか)
第4章 救援者を救う方法(惨事ストレス対策の基本;心身の反応を理解する ほか)
著者等紹介
加藤寛[カトウヒロシ]
兵庫県こころのケアセンター副センター長、附属診療所所長。1984年神戸大学医学部卒。精神科医、医学博士。都立墨東病院で精神科救急の実践を行った後、1995年から阪神・淡路大震災の被災者支援機関「こころのケアセンター」に所属した。2004年からは国と兵庫県によって設置された心的トラウマ、PTSDの専門機関「兵庫県こころのケアセンター」で現職(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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tom
10
最相葉月さんが、喫茶店でこの本を読み、涙が止まらなかったと書いてあった。大災害に関わることになる人たちにどのような精神的苦痛が生じるのか、精神的苦痛に対してどのような援助ができるのか。さらに、どのようにしたら軽減できるのかについて、専門家が書いた本。大災害が生じたとき、被災者について語られることは多いけれど、救助者について語られることは少ないと思う。そして、救助者がいろいろな場面で、すさまじいストレスにさらされること、彼らの心を守ることの大切さを教えてくれる。とても分かりやすい。良書です。2015/10/04
タマちゃん
1
阪神大震災の時、被災者の心のケアがクローズアップされた。このたびの東日本大震災では、救援に赴いた支援者たちの心のケアにも光が当てられるようになった。この本では、多数の死者を出した2005年のJR福知山線脱線事故現場に駆けつけた看護師らの手記も含め、災害ストレスの実際と対処について書かれている。最大のストレスは、子供の死、というのが印象に残った。悲しみと無力さにうちひしがれる救援者を、組織として守ることの大切さも説かれていた。2011/04/28
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- 和書
- 史潮 53