出版社内容情報
「私はこの楽しみを世人に分かちたい」。人生を植物研究に捧げた牧野富太郎博士。ユーモアたっぷりに植物のすべてを語りつくしたエッセイ集を装いも新たに復刊(全5巻)。第2巻では、桜や梅など春を代表する草花と、『万葉集』の草木にまつわる話を紹介。
目次
春の草木(萌え出づる春の若草;春の七草;有毒植物について;毒草と食用草の見分け方;ツバキ、サザンカ、トウツバキ ほか)
万葉の草木(万葉集巻一の草木解釈;万葉集スガノミの新考;万葉集の山ヂサ新考;万葉歌のアオイは蜀葵である;万葉歌のイチシ ほか)
著者等紹介
牧野富太郎[マキノトミタロウ]
文久2年(1862)~昭和32年(1957)。植物学者。高知県佐川町の豊かな酒造家兼雑貨商に生まる。小学校中退。幼い頃より植物に親しみ独力で植物学にとり組む。明治26年帝大植物学教室助手、後講師となるが、学歴と強い進取的気質が固陋な周囲の空気に受け入れられず、昭和14年講師のまま退職。貧困や様々な苦難の中に「日本植物志」、「牧野日本植物図鑑」その他多くの「植物随筆」などを著わし、又植物知識の普及に努めた。生涯に発見した新種500種、新命名の植物2,500種に及ぶ植物分類学の世界的権戒。昭和26年文化功労者、同32年死後文化勲章を受ける(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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ゴールドまであと951日
49
牧野富太郎先生の御本も、少し読むのが苦痛になってきた。あまりにも博学、明治時代の初めとはいえ、東大の学者さんたちも、なかなか太刀打ちできなかったと思う。小学校卒、造り酒屋でそれなりの教養ある学習は受けてきた。漢籍や外国語に堪能、専門で大好きな植物学、広範囲な知識や教養、この選集をよむだけでも、すごい教養だと推測される。なまじの学者や学生では、追いつくことも難しかろう。様々な日本にある一般的な植物、雑草の種類に至るまで精通している。いまでも、そのような権威はいるのだろうか、ほとほと感心した。しばらくおこう。2023/11/06