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出版社内容情報
「西洋の写実性」で描かれた「和の風俗と風景」の奇妙で美しい合わせ技である江戸期の「洋風画」を、代表する2人の作家を通して紹介。江戸の「江漢」と須賀川の「田善」を対比させながら、洋風画の全貌に迫る。
目次
第1部 司馬江漢(浮世絵師、春重;中国風を究める;洋風画へ;科学と叙情;文人洋風画家;江漢は本当に「早すぎた近代人」だったのか?)
第2部 亜欧堂田善(絵画技術の習得;油彩画と銅版画の円熟;西洋画法の更なるゆくえ;東北の円山四条派;現代人の心をつかむ造形)
著者等紹介
金子信久[カネコノブヒサ]
1962年、東京都生まれ。慶應義塾大学文学部哲学科美学美術史学専攻卒業。福島県立博物館などを経て、府中市美術館学芸員。担当展覧会に「亜欧堂田善とその系譜」(福島県立博物館、1990年)、「司馬江漢の絵画―西洋との接触、葛藤と確信」(府中市美術館、2001年)、「亜欧堂田善の時代」(府中市美術館、2006年)、「リアル最大の奇抜」(府中市美術館、2018年)など。「亜欧堂田善の時代」展の企画と図録論文で第18回倫雅美術奨励賞受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
keroppi
74
NHK「日曜美術館」で見た亜欧堂田善をもっと知りたくなって読んだ。この本では、江戸時代に欧風の絵を描いた作家として、司馬江漢と共に取り上げている。二人とも、ヨーロッパから入ってきた絵に興味を持ち、それを模写することから欧風の絵を描くようになったようだ。油絵や銅版画という手法を使いながら、自分流の題材や表現を生み出し、魅力的でオリジナリティのある作品を創っている。司馬江漢は知っていたが、亜欧堂田善は、今回初めて知った。この当時の斬新な画家たちのこと、もっと知りたくなる。2023/02/10
榊原 香織
60
18c江戸時代、西洋風の絵を描いた二人。 好奇心旺盛な司馬江漢は割と有名。 ほぼ同じ年の、あおうどうでんぜん、は福島の人。 人物がヘタウマ風で面白い。 元絵と比べると、当時の日本人の捉え方が見えてさらに面白い2023/05/17
更紗蝦
33
「洋画家」ではなく「洋風画家」である司馬江漢と亜欧堂田善は、「洋画そのもの」を描こうとしたわけではなく、「洋風の表現方法」を日本画や中国風絵画に取り入れることを試みているのですが、あざとく「奇矯さ」を狙っているというわけではないので、ごく自然にチャレンジ精神やユーモア精神が感じられ、その「個性的ではあるけれど、エキセントリックというほどではない」という微妙な作風に、かえって面白みがあると感じました。2022/12/11
真夢
13
数ヶ月前に亜欧堂田善を知った。色使いがまるで日本のホラー映画のようだ。そして奇妙な体勢の人物たち。私は心底気に入った。2023/05/04
三井寿里
3
千葉市立美術館の亜欧堂田善展を見損ねてガッカリしていたところ、こちらの本を見つけました。「洋風画」というジャンルに触れたのは初めて。日本画でも西洋画でもない不思議な世界に戸惑い、幻惑されそうでした。司馬江漢も良いのですが、私は精緻な線と面白い人物描写の亜欧堂田善が好みです。須賀川の人であったということも嬉しい驚きでした。2023/03/11