- ホーム
- > 和書
- > 芸術
- > 絵画・作品集
- > 絵画・作品集(西洋)
出版社内容情報
長らくシュルレアリスムの画家として認知されてきたミロ。本書では日本とのつながり、故郷カタルーニャへの深い愛着に着目し、ミロの新たな一面に光を当てる。40年ぶりに日本人研究者によって書かれた待望のミロ入門書。
目次
1章 初期‐カタルーニャに生まれて―1893‐1919 0‐26歳
2章 パリ、シュルレアリスム―1920‐1929 27‐36歳
3章 シュルレアリスムの国際展開と、スペイン内戦―1930‐1939 37‐46歳
4章 独裁体制下の国内亡命―1940‐1946 47‐53歳
5章 マジョルカから世界へ―1947‐1974 54‐81歳
6章 民主化スペインの顔―1975‐1983 82‐90歳
著者等紹介
松田健児[マツダケンジ]
熊本県生まれ。上智大学外国語学部イスパニア語学科卒業、学習院大学大学院博士後期課程退学、マドリード・コンプルテンセ大学博士課程DEA取得退学。慶應義塾大学商学部准教授
副田一穂[ソエダカズホ]
福岡県生まれ。東京大学大学院人文社会系研究科基礎文化研究専攻(美術史学)修了。愛知県美術館主任学芸員(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
アキ
100
愛知県美術館「ミロ展」を見に行ってきた。日本を愛したミロの愛読書のひとつは岡倉天心「茶の本」であったとこの展覧会で知った。抽象画から陶芸、壁画、墨で描いた日本画風のものまで独特の細い線と共に永年に渡る作品の集大成。表紙の<ゴシック聖堂でオルガン演奏を聴いている踊り子>1975福岡市美術館蔵は、細胞の構造のように見える。スペイン・バルセロナを訪れた時、丘の上に建つミロ美術館を訪れたことがある。バルセロナの空と海の青さと、バルセロナ・カラーである赤とのコラボレーションが、やはりミロを表す象徴のように感じます。2022/04/29
みかん🍊
71
愛知県美術館へ4月にミロ展が来るので、行きたいなと手にとった、作品とミロの半生が紹介されている、昔同じ所でミロ展見た事あるけどポップで色彩豊かな作品がいいですね、しかも日本通で何度か来日して、瀧口修造の挿絵を描いていたのは知らなかった。2022/03/30
更紗蝦
28
ミロの生涯を概観している本です。ミロほどに国際的に成功している画家が、独裁体制下でのスペイン国内ではほとんど無名の存在だったということを初めて知って、驚きました。ミロと独裁政権の対立は、フランシスコ・フランコの死後、民主的な立憲民主制が確立するまで続いており、政治に真正面から対峙したミロの反骨精神というものを思い知りました。1966年に開催されたミロ展の返礼として国立近代美術館に寄贈された《壺》(48p)と、アルティガスとの共作の《両面碑》(49p)が印象的で、ミロの陶芸作品をもっと知りたくなりました。2022/04/28
ロビン
19
ミロの生涯と作品を概観した一冊。もともとミロは好きなのだが、富山出身の詩人・瀧口修造がミロと友人であった縁で今年の夏地元富山に「ミロ展」が巡回してくるので予習として読んだ。柳宗悦ら民芸運動の芸術家たちと交流し、日本の文化を愛好して影響を受けていたことは初めて知った。「金持ち連中の奇妙な金ぴかの皿よりも農民がスープを飲む皿のほうが好きなのです」「人は絵なんか見ていない、ドル紙幣を見ているのです」と言って拝金主義を批判し、またフランコのファシスト政権とも正面から戦ったミロの、素朴だが高潔な精神に感動した。2022/06/30
スリカータ
18
かつて、修学旅行で訪れた山梨県立美術館でミロの絵葉書を買った。勿体無くて使えなかった。旅行で訪れたバルセロナで実物の作品を観た。ずっと気になる画家であるミロ。夏休みにミロ展に行こうと思っているので、本書は予習。親の反対で画家以外の職に就くも、紆余曲折あって画家へ。幼少期に描いたカメの絵で、既に天才の片鱗を見せる。写実的に描ける人が究める境地。2022/07/30