出版社内容情報
みなに愛される人気作でありながら、制作者も主題もわからない謎多き絵巻、国宝「鳥獣人物戯画」。日本美術史の未来を担う第一線の若手研究者たちが、平成の大修理後の新知見を踏まえ、徹底解明に挑む!
目次
第1章 平成の修理の意義(鳥獣戯画 平成の修理を終えて;鳥獣戯画研究の展望)
第2章 鳥獣戯画成立の文化史的背景(鳥獣戯画・蓮華王院宝蔵・正倉院;平安後期における宋画受容―「鳥獣戯画」乙巻を対象として ほか)
第3章 鳥獣戯画の様式「型」と「線」(宮廷絵師説の可能性を考える;白描画としての鳥獣戯画―線描の妙技 ほか)
第4章 高山寺という「場」と鳥獣戯画の評価(明恵・高山寺・鳥獣戯画―附、箱と目録;明恵上人坐像と慶派仏師 ほか)
連続講座 鳥獣戯画研究の最前線 パネルディスカッション「徹底討論!鳥獣戯画研究を究める」
著者等紹介
土屋貴裕[ツチヤタカヒロ]
1979年生。千葉大学大学院単位取得満期退学。東京文化財研究所を経て、東京国立博物館絵画・彫刻室長(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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ワッピー
34
平成の大修復の最新知見をもとにした連続講座の内容を収録。人物・動物両方の絵がある第三巻(丙巻)は実は同じ紙の裏表に描かれていたものを「相剥ぎ」で分けられたとか、戯画は高山寺にいつ収蔵されたのか、戯画の技法は宋画に由来するのか、文化集積地としての高山寺の位置づけ、誰が描いた(宮廷絵師or絵仏師)のか、平泉で発掘されたカエル絵と戯画の酷似性といった興味深いトピックが山盛り。ずっと好きでしたが、その背景となる知識に今ようやく追いつきました。中学のときに買った便利堂のコロタイプ印刷版は今でも売っているのだろうか?2022/07/14
わらん
1
重量ある内容。斜め読み2023/01/12