出版社内容情報
北欧の鬼才ムンク。命の本質を見つめ、写実から表現へ向かう20世紀美術に多大な影響を及ぼした画業を紹介する。本書は、世紀末という暗い時代に場所を得て、魂を「解剖」した画家ムンクを紹介する美術入門書。
ムンクの作品に込められた、極めて個人的な魂の軌跡を読み解く。
ムンク芸術の集大成「生命のフリーズ」をはじめ、エロスとタナトス、そして人々が漠然と感じている捉えどころのない不安を見事に可視化した造形力をじっくり鑑賞する。
またムンクは生涯、不安、絶望、死の恐怖に苛まれたが、結果的には80年の生涯をまっとうした。根本的な部分で生に執着し、より力強く生を肯定した画家でもあった。これまであまり紹介されなかった晩年まで辿ることによって、画家の全体像に迫る。
はじめに
序章 「病と死の家」に生まれて
【特集 もっと知りたい 1】北欧の近代絵画
第1章 クリスチャニアからパリへ
●クリスチャニア・ボエーム
●印象派との出会い
名画を読み解く1《病める子》
【特集 もっと知りたい 2】家族の肖像
第2章 「不安の時代」の画家
●ムンク・スキャンダル
●文学者との交流
●自画像
【特集 もっと知りたい 3】「暗い世紀末」の画家
名画を読み解く2《カール・ヨハン通りの夕暮れ》
名画を読み解く3《叫び》
【特集 もっと知りたい 4】繰り返される主題
●性のめざめ
●「生命のフリーズ」
●愛と死にまつわる詩
●汝、自身の生活を描くべし
【特集 もっと知りたい 5】ファム・ファタルたち
【特集 もっと知りたい 6】版画への挑戦
名画を読み解く4《生命のダンス》
●ノルウェーの風景
●オースゴールストラン
●発砲事件
●「緑の部屋」シリーズ
名画を読み解く5《マラーの死》
第3章 死から生へ至る画家
●オスロ大学講堂壁画
●労働者と風景
●最後の日々
終章 ムンクの遺産
千足 伸行[センゾク ノブユキ]
著・文・その他/監修
冨田 章[トミタ アキラ]
著・文・その他
目次
序章 「病と死の家」に生まれて―1863‐1883 0~20歳
第1章 クリスチャニアからパリへ―1884‐1891 21~28歳(クリスチャニア・ボエーム;印象派との出会い ほか)
第2章 「不安の時代」の画家―1892‐1907 29~44歳(ムンク・スキャンダル;文学者との交流 ほか)
第3章 死から生へ至る画家―1908‐1944 45~80歳(オスロ大学講堂壁画;労働者と風景 ほか)
終章 ムンクの遺産
著者等紹介
千足伸行[センゾクノブユキ]
1940年東京生まれ。美術史家。広島県立美術館館長。東京大学文学部卒業。TBS(東京放送)を経て、国立西洋美術館に勤務。1970~72年、西ドイツ(当時)政府給費留学生としてドイツに留学し、ミュンヘン大学で主にドイツ・ルネサンス美術を学ぶ。帰国後、西洋美術館主任研究官、成城大学文芸学部教授を歴任し、数多くの展覧会を監修。2015年より現職
冨田章[トミタアキラ]
1958年新潟県生まれ。美術史家。東京ステーションギャラリー館長。慶應義塾大学、成城大学大学院卒業。財団法人そごう美術館、サントリーミュージアム“天保山”を経て、現職。専門はフランス、ベルギー、日本の近代美術史(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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