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目次
第1部 ブリューゲルの世界(ブリューゲルの足跡と作品;民衆の暮らしと諺の世界;聖書―フランドルの宗教劇;世界風景を超えて)
第2部 ブリューゲルとネーデルラント絵画(ネーデルラント絵画の中のブリューゲル―「民衆」「怪奇幻想」「風景」;民衆―人々の姿と日々の暮らし;怪奇幻想―もうひとつの写実;風景―ネーデルラント絵画とともに)
著者等紹介
幸福輝[コウフクアキラ]
美術史家。東京大学、ルーヴェン大学(ベルギー)で初期フランドル絵画を学ぶ。パリ国立図書館、アムステルダム国立美術館で西洋版画史を研究。オランダ・フランドル美術を中心に国立西洋美術館で多くの展覧会を企画し、ブリューゲル、レンブラントなどを中心に多数の著訳書がある(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
アキ
13
16世紀フランドルはハプスブルグに支配下だったため、ブリューゲルの主な作品は、ウイーン美術史美術館で見ることができる。そこで代表作「バベルの塔」「雪の狩人」などを見た。デューラーと違い1行の文章も残さなかったブリューゲルには謎が多く、宗教画家であることは確かだが、その画風は芸術が大衆文化になる時代とネーデルランド絵画の流れ(パティニールという画家と「世界風景」は初めて知った)が影響した。フェルメールと同じく19世紀半ばに再発見された画家のひとり。ヨーロッパ絵画はキリスト教の知識がないと理解が不十分になる。2018/03/06
koke
10
ピーテル・ブリューゲル(父)について、ずっと気になってはいたが実物を見る機会がなく、大塚国際美術館で代表作のコピーを見て圧倒された。大パノラマと細密描写を無理なく統合する手腕は天才的。本書は自身の言葉を残さなかったブリューゲルについて、「農民画家」「新しきボッス」という誤解を招くレッテルに注意を促し、慎重に実像を探っている。2023/04/02
ブルーハート
6
ブリューゲルと聞くと「農民の結婚式」や「子供の遊戯」「バベルの塔」などを思い出す、16世紀フランドルの画家だ。その画面は精緻にして、生き生きした民衆の描写にみちている。だが、この画家がどのような人物であったのかについては殆どわかっていないらしい。彼は一行の文章も残さなかったという。本書はこのような謎多いブリューゲルその人の絵画を縦糸に、同時代のネーデルラントの画家達を横糸にしながら、その謎に迫っていこうという試みに思える。15世紀から17世紀のネーデルラント絵画史を楽しませてもらった。2019/08/11
Masa
1
「ToBi selection」は図版が大きく、手に持ちやすい量で、手軽に眺めることができる美術書です。ブリューゲルは野間宏氏「暗い絵」を読んで、「死の勝利」の部類から知りました。そして農民の絵も描いていたんだ、そうかバベルの塔も描いたのかあ、と言った具合に画業の広さに驚きました。それも僅か7〜8年という短期間で描いたのですからビックルです。2023/06/26
K
1
ブリューゲル展の復習第2弾。ブリューゲルの作品をより詳細に見たいということであれば、森洋子さんのとんぼの本の方が諺や子供の遊びの解説が詳しくなされているが、こちらはブリューゲル周辺のフランドル絵画の紹介があり、フランドル系の有名画家を冠にした展覧会はたいていブロックバスター(フェルメール、レンブラント、あとこないだのバベルの塔等々)➕その他、という構成をとるので、広い視野で彼らの時代や影響を知るという意味でこの本も有用。解説はわかりやすく、東京美術さんいつもながらの高クオリティなイメージング。2018/04/02