目次
第1章 フィンランド・デザインの黄金期(くらしとデザイン―フィンランドの独自性と普遍性)
第2章 フィンランド・モダンの成立(ナショナル・ロマンティシズムの現れ;モダニズムの受容と展開;風土・文化に寄り添う独自のモダニズム)
第3章 フィンランド・デザインの源流(北カレリアのイマジュリー―フィン人の原風景)
著者等紹介
橋本優子[ハシモトユウコ]
1963年、東京都生まれ。京都工芸繊維大学大学院修士課程修了。現在、宇都宮美術館主任学芸員。日本フィンランド協会会員、鉄道建築協会会員、修士(工学)。専門領域は、近・現代のデザインと建築、デザイン教育(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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けんとまん1007
39
改めて、その国の文化は風土に根ざすものが大きいのだと感じた。決して、華やかではない(表面的に)と思うが、そこに暮らす人に寄り添っていると思う。シンプルでありながら、手に取ってみたいと思わせるものがある。自分の日々の営みを振り返るきっかけになる。2022/09/24
booklight
31
北欧って一つにまとめるな、みたいな。フィンランドの成り立ち、デザインの源流、工業デザインをビジュアルに説明。歴史的にはスウェーデンやロシアやデンマークに翻弄。ものづくり国として下地はあり、独立後、アート&クラフト運動もあってデザインが重要な産業に。愛国運動的な民族叙事詩『カレヴァラ』と原風景「コリの山並み」など原点として、様々なアート活動も隆盛していく。みんな大好きイーッタラ、マリメッコなどの様々なシリーズやデザイナーも紹介。絵画では、カッレラ、ハロネン、シンベリなど「森と湖」がテーマの作品がよかった。2022/09/12
hanya
2
ルーツを19世紀美術や叙事詩カレヴァラまで遡り検証していくのだが、やはり国家独立とナショナリズムの高まりが影響し「自らが生きる風土、新しい社会に最適なモダニズム」のいち分が重要に思える。フィンランドデザイン展でも思ったが自然界のかたちをモダンに表現したアアルトが好きだな。サヴォイとか意味もなく欲しくなる笑2022/05/28
Э0!P!
2
ロマン主義とカレワラが結びついて、フィンランド独自の美術が19世紀半ばから発展。神話と風景画の方面で特に伸びた。2022/05/08
まさ
1
フィンランドという国の成り立ちからデザインを見る。 森と湖の国で資源のない国だからこそ、シンプルで実用的なデザインが生まれたのか。なるほど。 sdgs的な思想からの素朴さと、長い冬からの落ち着いたカラフルさは国の持つ成り立ちに大きく関わる。2024/05/18