出版社内容情報
南太平洋の島に果てた伝説の画家の素顔と神話的題材や楽園の情景に込められた深い哲学的メッセージをよみとく。
目次
序章 生い立ち
第1章 画家としての出発
第2章 独自の絵画の確立―ブルターニュ
第3章 野生を求めて―第1期タヒチ時代
第4章 失われた楽園―第2期タヒチ時代
終章 見果てぬ夢―ヒヴァ=オア島
著者等紹介
六人部昭典[ムトベアキノリ]
1953年、京都府生まれ。大阪大学文学部(西洋美術史専攻)卒業、同大学院修了。関西の大学で教鞭をとったのち、2006年より実践女子大学(美学美術史学科)教授(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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ハイク
114
ゴーギャンといえばタヒチを思い出す。タヒチで多くの作品を残している。またゴッホと短期間であるが同居していた。これまでゴーギャン展には見に行ったことはない。ゴッホ展や美術館などで数点のゴーギャンの絵を時々見るだけだ。彼は幼少時ペルーに行った事がある。こういう経験が何度か海外へ行き絵を描いたのであろう。そして後年タヒチに渡りしばらく生活し何枚も絵を描いたのだ。彼は幸福な人生を送ったとは言えないようだ。貧困な生活を送ったこともある。彼の絵は見てすぐわかる非常に個性的な絵だ。茶系色等の南洋的な雰囲気の色使いだ。 2017/03/25
nuit@積読消化中
100
バンサン・カッセル主演で描いた映画『ゴーギャン タヒチ、楽園への旅』が2018年1月27日に公開されると聞き、予習と復習!と言いつつ、『月と六ペンス』を再読したくなった。2017/11/28
まさむ♪ね
41
最近読んだモーム『月と六ペンス』、現在参戦中の【マルケス&リョサ祭り】で読むはず?のリョサ『楽園への道』が共にゴーギャンがモデルということで。絵だけでなく、彫刻、陶芸、木版画、そして執筆とその活動は実に多彩。彼の作品をみていると、ふいに深い闇に取り込まれそうになる。でもわたしはその漆黒の闇に射し入る一条の光をみとめる。大作《我々はどこから来たのか、我々は何者か、我々はどこへ行くのか》永遠とも思えるこの問いに対峙する画家の死をもいとわぬ覚悟とほどばしる情熱のきらめき・・・それはきっとそういう光だ。2014/06/22
風に吹かれて
18
晩年の大作≪我々はどこから来たのか、我々は何者なのか、我々はどこへ行くのか≫に至るも、彼の画業から、彼が何を絵画として残したかったのか、私にはわからない。現実と内面世界の≪総合≫を説いていたとのことだが、想像以上の苦しみを内面に抱えていたのかもしれない。他国に侵出し多くの植民地を持ついわゆる文明国の人間である彼は死と生の再生である野蛮・自然に帰ることができないという苦しみを苦しんでいたのだろうか。 →2022/10/07
アドソ
17
リョサの『楽園への道』を読んで、からの復習。できればこういう画集を手元に置いて読みたかった。2018/09/17