内容説明
宗達を貪欲に学び、天賦の才と努力で琳派を大成した巨匠。
目次
序章 光琳京都に生まれる
第1章 光琳画家となる
第2章 光琳江戸へ行く
特集(江戸在住期の収穫―鳥獣写生図にみる観察眼;江戸在住期の収穫―雪舟・雪村に惹かれる)
第3章 光琳再び京都へ
特集(多才な兄弟―光琳と乾山の合作を考える;豪華な調度品―扇面貼交手箱を見る;主題・技法・構図から―紅白梅図屏風を読む)
終章 光琳を継ぐものたち
著者等紹介
仲町啓子[ナカマチケイコ]
1951年、大分県大分市生まれ。東京大学大学院修士課程修了。群馬県立女子大学文学部美学美術史学科助手を経て、1985年から実践女子大学に奉職し、現在同大学教授。専門分野は日本美術史、とくに琳派、浮世絵などの江戸時代の絵画・工芸(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
1 ~ 1件/全1件
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
アキ
88
2008年出版。著者は実践女子大学教授。専門は琳派、浮世絵などの日本美術史。表紙の「燕子花図屏風」は根津美術館で毎年4~5月に、「紅白梅図屏風」はMOA美術館で1月末~3月初めの梅の季節に展示される。毎年その時期に訪れるのが楽しみ。MOA美術館は2017年杉本博司の新素材研究所が新築して更に魅力が増した。「風神雷神図屏風」は宗達・光琳・抱一と続く江戸時代の琳派の系譜を示す。昨年アーティゾン美術館で見た「琳派と印象派」展で宗達の絵画を楽しんだ。この本では35歳から59歳まで彼の多くの作品を見ることができる。2021/09/10
Mijas
52
謡曲「白楽天」の場面を描いた「白楽天図屏風」「白楽天図扇面」、李白「廬山の瀑布を望む」にちなんだ「李白観瀑図」、「西行物語図扇面」「西行物語絵巻」「富士山図扇面」。気になっていた幾つかの作品を美しいカラー写真で見ることができた。「特集紅白図屏風を読む」も興味深い。林和靖「山園小梅」の詩中の字句「暗香疎影」を元に、水流の側に立つ梅の構図を読み解く。「黄昏時のあわい月明かりの下、可憐な梅の香りがほのかに漂う」世界。和歌を意匠化した作品もあり、和歌や詩を読むとまた違った味わいが感じられる。2016/12/01
スプーン
37
(画集として観た時の感想を記す)大胆で野心的な光琳の世界。背景の金に静けさと悟りを感じる。豪奢でいて、ある種の寂寥感も感じさせる画家。2019/01/28
どぶねずみ
32
根津美術館の燕子花図で有名な尾形光琳。他にどんな作品を描いているんだろう?と手にしてみた本書だが、西行物語絵巻には惚れ惚れてしてしまった。百合図、佐野渡図も好きだし、鳥獣写生図や大黒天図も好きだ。美しいものから愛らしいタッチまで幅広く、琳派ができるのも納得だ。根津美術館、いつ行こうかな。2019/07/15
umeko
20
このシリーズの「酒井抱一」が良かったので読んでみた。もう少し、突っ込んだ内容にして欲しかったなぁ。2015/11/28
-
- 和書
- やさしいけしき