目次
第1章 生い立ちと動物描写(明治期に蕭白研究に情熱を注ぐ―桃沢如水;蕭白の弟子がいた―播州高砂遊歴 ほか)
第2章 群仙図屏風と人物描写(蕭白の赤―我々の神経を直撃する色彩の魔術;竹林七賢図―賢人の愚人ぶりを描いた蕭白;酔いによって冴える筆墨―現代では得られない豊かさ ほか)
第3章 京都定着以降と風景描写(『平安人物志』―これで京の名士の仲間入り;蕭白は狂人か―使僧なんぞに呼び捨てにされてたまるか;虎渓三笑―三傑よりも風景を重視)
著者等紹介
狩野博幸[カノヒロユキ]
1947年、福岡県生まれ。九州大学大学院博士課程中退(日本近世美術史専攻)。京都国立博物館勤務(美術室長・京都文化資料センター長)を経て、同志社大学文化情報学部教授。専門は桃山絵画と浮世絵を含む江戸絵画。狩野派・長谷川派・琳派・18世紀京都画派の作品と伝記を研究。博物館の企画として「没後200年若冲」展(2000年)、「曾我蕭白 無頼という愉悦」展(2005年)などを手がける(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
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ナイスネイチャ
111
図書館本。「ごんたくれ」の主人公らしく、副読本として。好き嫌いが別れる画家ですし、作品でも別れますね。繊細は繊細ですけど。2015/06/04
№9
32
曾我蕭白である。全く知りませんでした^^;、辻惟雄の「奇想の系譜」を読むまでは(^-^)/。著者は言う「いったい誰がこんな絵を許したのか?もっと普通に描けなかったのか」。描かれる人物の超変態顔や背景のオドロオドロしさ、動物たちの空恐ろしい虚無な眼差し、また山水図における精緻・静謐なる眺め、それらの根底にある大いなる可笑しみ、諧謔性。著者は後書きに「17歳にして全てを喪失した少年を、18世紀という時代は見殺しにすることがなかった。まことに美しい国であった」と蕭白を語る。図版集を読んで涙が溢れたのは初めてだ。2016/03/13
はま
19
昨日読んだ長沢蘆雪と同じく西條奈加さんの「ごんたくれ」から。ごんたくれ読んでからだと蘆雪と同じ題材の絵を見るとワクワクするねー。この本の前半の不気味な絵よりも、後半の山水画とか即興絵が綺麗で好き。達磨図が凄い好き。もっかい「ごんたくれ」読もうかな〜2015/07/21
風に吹かれて
17
数え14歳のときに父が、17歳のときに母が、また、父が死ぬ3年前に兄が没した。40歳過ぎに京都に安住するまで伊勢(三重県)や播州(兵庫県)を遊歴。 「さすらいの生活を続けた蕭白は、それぞれの地で人間観察を強いられたはずだ。生涯京を離れなかった若冲に人物画がほとんどないのと対照的」と著者はいう。蕭白が描く人物の、禍々しかったり危うい色香があったり、この世に存在していると思えないような造形の現実感、繊細に描く頭髪一本髭一本にまで、血が通っているように思える。 →2024/07/20
あおい
10
人、動物、仙人の毒々しくも印象的な表情。静かで情緒ある山水画。気になって何度も眺めてしまう、2018/08/16
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