目次
序章 出生―幕臣安藤家の嫡子として誕生
第1章 揺籃期―広重デビュー、忍耐のとき
第2章 躍進期―風景画で大輪の花を咲かせる(名所絵師広重の成功;詩情に富む花鳥画の世界)
第3章 円熟期―旺盛な活動、人気絶頂のとき
第4章 終焉 いまだ見ぬ景色をもとめて
総論 広重の芸術
著者等紹介
内藤正人[ナイトウマサト]
昭和38年、愛知県名古屋市生まれ。慶應義塾大学大学院哲学研究科修了。博士(美学)。出光美術館主任学芸員を経て、慶應義塾大学准教授、国際浮世絵学会常任理事。江戸時代の絵画史、とくに浮世絵・琳派などを研究テーマとする(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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れみ
87
幕末の絵師・歌川広重の生涯と作品を紹介する本。東都名所両国之宵月の橋桁越しの景色っていう構図良いなあ。それと江戸名所百景の亀戸梅屋舗の赤い色も好き。命っていう作品のユーモアセンスにも心惹かれる。武家出身で若い頃は絵師として修行・活動しながらお役目(火消同心)と兼業していたというところが興味深い。広重の凄さや作品の魅力がよく分かる内容だったけど解説やコラムで北斎や栄泉と比較するときに北斎や栄泉を下げるような書き方が所々あるのはちょっとなあ。そういう書き方しなくても広重は素晴らしいし読み手に伝わるはずなのに。2017/03/30
どぶねずみ
30
若い頃から37歳年上の北斎を強く意識していたという広重は、力強くダイナミックな北斎の画風と比べると、しなやかで詫びのある画であるように思う。どちらも私の好きな江戸の絵師である。細かい線を利用して、情緒ある雨や雪の描写は大好きだ。広重美術館は栃木県だけでなく、静岡にも岐阜にもあったのね。気軽に行けるところではないけど、いつか行ってみたいな。2020/01/17
sofia
29
ビギナーズにやさしいシリーズ。いろいろな歌川さんも北斎もほとんど知らない中で見てもわかりやすい本。東海道五拾三次だけは名古屋の貨幣・浮世絵ミュージアムで見た。手本を見たとはいえ、よくあんなに生き生きと見たように描けるなと思う。広重の人生を追っていき、興味がわく。2022/05/27
大島ちかり
16
絵が小さかったので、酔えませんでした。歌川広重は構図が面白くて、もっとじっくり見たいと思いました。2016/08/08
マカロニ マカロン
13
個人の感想です:B。『たゆたえども沈まず』(原田マハ)読書会関連本。ゴッホは浮世絵を愛好し、中でも歌川広重は本書カバー絵の『亀戸梅屋舗』や『大はしあたけの夕立』など大胆な構図、色彩に強い影響を受けている。一方広重は西洋絵画由来の透視図法、オランダ物の最新合成染料「ベロ藍」などをいち早く取り入れている。お茶漬けの素に同封されていた小さなカードでおなじみの広重作品も本書のB4サイズ見開きページで見ると、鮮やかな構図と色彩が際立つ2022/05/21