内容説明
描くことに命を燃やした女性たちの生涯と作品に光を当てる初の入門書。女ゆえに、女だからこそ直面した数々の問題と向き合いながら美の歴史に鮮やかな輝きを残した画家たちの波瀾万丈の人生。
目次
第1章 ルネサンス・バロック・ロココの女性画家―16~18世紀(ソフォニスバ・アングィッソーラ;アルテミシア・ジェンティレスキ ほか)
第2章 写実主義・印象派・世紀末の女性画家―19世紀(ローザ・ボヌール;ソフィー・アンダーソン ほか)
第3章 現代にはばたく女性画家―20世紀(シュザンヌ・ヴァラドン;マリアンネ・ウェレフキン ほか)
第4章 日本の女性画家―17~20世紀 江戸時代・明治・大正・昭和(清原雪信;光子内親王 ほか)
著者等紹介
千足伸行[センゾクノブユキ]
1940年、東京生まれ。東京大学文学部卒。TBS(東京放送)を経て国立西洋美術館に勤務。1970~72年、西ドイツ(当時)政府給費留学生としてドイツに留学。1979年より成城大学文芸学部芸術学科に勤務。同大学教授(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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sakanarui2
4
おもに17世紀以降、20世紀までの女性画家が、西洋と日本に分けて時代別に紹介されている。1人につき見開き2頁なので作品が1点しかないのはやや物足りないが、歴史的事実や周囲からの評価、エピソードなど、情報は多角的。意外と知らない作家も多く、名前や作品に見覚えがあっても「あ、これって女性の作品だったんだ」初めて知るものもあった。 若干、女性作家の置かれた状況についてステレオタイプな書かれ方がされてる感は気になったけど、女性というだけで正当な評価を得られなかった作家にスポットが当たるのはいいことなのかも。2024/09/04
かお
2
女が絵を書くなんてと批判は冷やかしを受けたり、男のヌードをデッサンできなかったり男性と比べ苦悩が耐えなかった女性画家たち。女性画家の中の女の部分、男の部分が見え面白かった。カサットの絵は暖かく母の愛が感じられとても素敵。2013/01/22
ybhkr
1
西洋画家が中心で日本人の画家が知りたかったのでちょっとがっくり。しかし、最近企画展で見たユトリロの母、シュザンヌ・ヴァトランが掲載されていてうれしい。でも彼女の絵のよさって一枚ではわからない。一枚でもすごいと思う人がいる反面、こういう人もいるので一人につき一枚しか絵が掲載されないのにもったいないかも。アルテミシア・ジェンティレスキ、マーガレット・マクドナルド・レオノーニ・フィニは他の絵も見たい。グランマ・モーゼスも最近見たので興味深い。山下りんが目当てだったが他の絵のほうがよかったかも…。ラグーザ玉が素敵2015/05/11
ユーディット
1
女性画家の簡単紹介。日本人16人、その他38人。時代順に並んでいる。日本人が多いのは理解できるが、外国人画家の選択はどういう基準なのかちょっと分かり難い。一人に作品を含めて二頁で紹介しているのでしょうがないところもあるが本当に表面的な紹介で、当たり障りの無いことだけ記載されている。入り口としては見やすい構成ではある2013/01/27
カコ
1
見開きで一人と言う簡潔な説明は読みやすく、とりあえず知っている画家を増やしたいという人にはお勧め。西洋日本両方カバーしつつ、近代以前から現代よりまで広く女性画家を紹介している。筆者が東大文学部出身ということで、進振りの決心がちょっと揺れる。この人女の人だったんだ、という恥ずかしい驚きが恥ずかしい。2011/09/02