内容説明
水墨画には何が描かれているのでしょう?近づいて見ると何が見えてきますか?画家たちはどんな思いで描いたのでしょう?その思いを形にするために、どんな工夫をしているのでしょう?水墨画の名作の数々を徹底解剖して、奥深い世界に迫ります。水墨画を見る・感じるための入門書。
目次
水墨画をどう見るか?
第1章 水墨画の表現技法
第2章 水墨表現のさまざま
第3章 水墨画が描くもの
水墨画の現在と未来―明治以降の水墨画
著者等紹介
島尾新[シマオアラタ]
美術史家。1953年、東京都生まれ。東京大学大学院修士課程修了。日本中世絵画史専攻。独立行政法人東京文化財研究所を経て、多摩美術大学教授
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
Natsuko
20
「線は、僕を描く」を読んだ直後に借りてみた。(単純…)文化史で習った偉大な作品を「どこがすごいか、なぜすごいか」図解で説明、分かりやすい。「線は~」で語られた「蘭」と「竹」の描き方の難しさや素晴らしさがピンと来た感じ。本著には「水墨画の素晴らしさは考えず心で感じればいい」とも書いているが、それはもちろんのこと、ちょっと知っていればより楽しく鑑賞できる知識ばかり。折しもこの感想を書いている途中、テレビから流れる鑑定団では「伊藤若冲」や「横山大観」の作品が登場、今日は興味深く見ることができなんだか嬉しい。2021/03/30
HIDE
8
鑑賞の方法のひとつとして筆遣いからどのように描いたか、どう表現したかったか想像して体感することが挙げられている点がおもしろかったです。西洋絵画とは異なる鑑賞のルールがあるのですね。2015/11/03
rapo
4
墨だけでなぜこんなに多彩な表現ができるのか見事というしかありません。山水画には何をどう描くかパターンがあり、そのなかで絵師によって個性があるのが面白かったです。そんなルールをふまえると、今まで以上に興味深く鑑賞ができそうです。2017/08/07