内容説明
シーナ少年が「草原」を飛び回る…初めて書いた海ガキの頃。
目次
潮風の朝
メッセはその頃海浜草原だった
あのお嫁さんがほしいほしい事件
むじな月の夜
海の近くの町に
偉大な発明「下駄スケート」
いざタタカイの潮干狩りへ
イモとザリガニ
いろんな煙突があった
風に揺れてる小さな映画〔ほか〕
著者等紹介
椎名誠[シイナマコト]
1944年東京都生まれ。作家。「本の雑誌」初代編集長。流通業界誌編集長を経て、79年『さらば国分寺書店のオババ』でデビュー(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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starbro
205
椎名 誠は、永年に渡って読み続けている作家です。本書は、著者が、小中高と過ごした幕張新都心が開発される前の幕張における私小説的エッセイでした。リアル過ぎて、著者が椎名 誠で、このタイトルの割には、面白みに欠けるかも知れません。 盟友、沢野ひとしの挿絵は、好い雰囲気です。 https://www.youtube.com/watch?v=_EUTti2LQh82021/09/12
kinkin
98
著者の子供時代を書いたエッセイ集。子供時代に慣れ親しんだ山や海の景色というのはいくつになっても心に残っている。ずっと忘れていた景色が蘇ってきた。といってもぼんやりだが。著者が遊んでいた浜辺も開発で消えてしまった。代わりに巨大なイベント場や高層マンションが立っている。私も海の近くなので同様の経験がある。港の浚渫で取られた砂のせいで砂浜の砂が沖に流されて砂浜が子供の頃の半分になったこと。虫取りや海や山を探検する子供は見かけなくなった。皆スマホやゲームのことで自然のことなど考えなくなったのか。図書館本2023/04/29
J D
33
シーナの古き良き少年時代の思い出。気分はダボダボソースの原点となるエッセイもあり、シーナファンの私にはたまならない一冊。昭和軽薄体で一世風靡したシーナも年を取ったんだなとなんとなく物悲しくなった。久しぶりのシーナは私のこころをロイヤルストレートフラッシュにしてくれた。2022/06/08
藤瀬こうたろー
20
椎名さんの住んでいた幕張町は、私の実家の近くである。この本の中で、慣れ親しんでいた海が埋め立てられて「幕張の浜」というよくわからない名称になったことを椎名少年たちが嘆くシーンが出てくるが、私はその埋め立てられた後の新興住宅地で生まれ育った。ただ、馬加康胤という武将の塚は今でも存在するし、私も「ばか」と読んで父に訂正され、そして私の子も同じ間違いをして私が「まか」と読むことを教えた。幕張駅近くのJRと京成の線路が何本もあって通れなかった「開かずの踏切」も最近まで存在した。時代が変わっても歴史は続いてゆく。2024/10/28
tetsubun1000mg
20
椎名誠氏の小学校から中学生時代で、幕張に住んだ時期の生活を思い出しながら書かれたエッセイ。 氏のエッセイにはよく登場していたのだが、この作品ではより深く思い起こして書かれている。 時々当時の幕張の土地の写真や住民の写真が出てくるのも面白く価値があると思います。 タイトルのように中学時代は、マサイ族のように長い竹を持って砂浜や草原を歩き回っていたそうだ。 時には隣の中学生との諍いにも使ったようだ。 幕張の土地の記録でもあるような気がした。2022/03/26