内容説明
短歌にはドラマがある。「記者ときどき歌詠み」の著者ならではのペンが織りなす、二十七の短歌ものがたり。
目次
青年死して七月かがやけり軍靴の中の汝が運動靴
膝下を津波にしやぶられ寒かりき夢と見てゐし家流るるを―佐藤成晃
すさまじくひと木の桜ふぶくゆゑ身はひえびえとなりて立ちをり―岡野弘彦
夕照はしづかに展くこの谷のPARCO三基を墓碑となすまで―仙波龍英
日本を振りかへらざれわが前にひたむきにゐる若きらに向き―石川一成
あの夏の数かぎりなきそしてまたたつた一つの表情をせよ―小野茂樹
警棒に撲たざることをぎりぎりの良心としてわれは追ひゆく―筑波杏明
風。そしてあなたがねむる数万の夜へわたしはシーツをかける―笹井宏之
夕焼けに照らされてゐる妻の顔まぎれなくいま生きてかがやく―桑原正紀
音もなく我より去りしものなれど書きて偲びぬ明日と言ふ字を―木村久夫〔ほか〕
著者等紹介
加古陽治[カコヨウジ]
1962年愛知県生まれ。東京外国語大学卒業後、中日新聞社(東京新聞)入社。司法、教育、ニュースデスクなどを担当後、文化部長(現職)。2002年度新聞協会賞を受賞した連載「テロと家族」取材メンバー(米国取材担当)。福島第一原発事故後、原発取材班の総括デスクを務め、取材班は、第60回菊池寛賞を受賞。担当する「平和の俳句」が昨年、平和・協同ジャーナリスト基金賞大賞などを受賞。歌詠みでもあり、第54回角川短歌賞次席(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
kaizen@名古屋de朝活読書会
わいほす(noririn_papa)
yumicomachi