内容説明
ヒマラヤ山脈の東、サルウィン、メコン、揚子江が併流する禁断の山域には、多くの未踏峰や少数民族の村、探検家や宣教師の足跡が残る。本書は、その「チベットのアルプス」の集大成であり、著者は「最後の辺境」を明らかにした功績で、2008年の権威ある英国王立地理学協会バスク・メダルを受賞。
目次
最後の辺境―未踏峰、許可問題、開発のパラドックス
ヒマラヤの東「チベットのアルプス」―地理学上の空白部
2005年念青唐古拉山東部―禁断の易貢蔵布
2006年易貢蔵布から崗日〓布(かんりがるぽ)、波堆蔵布へ
2007年深い浸食の国―キングドン‐ウォードの世界
2008年ゴルジュの国・幻の山塊と四川踏査行
海外での反響と栄誉―アメリカ山岳会、王立地理学協会、英国アルパインクラブ
2009年東チベット長駆5000km―新しい発見を求めて
講演旅行と登山文化―ヨーロッパ・ニュージーランド
2010年雲南キリスト教会探訪と四川理塘高原ピーク同定―雲南怒江、四川西部高地・理塘高原へ
探検史と宣教師の苦闘―東チベット探検史序説
2011年 執念の易貢蔵布 空白の12日―自然と歴史に魅了された21年間
著者等紹介
中村保[ナカムラタモツ]
1934年、東京生まれ。一橋大学山岳部で先鋭登山を目指す。1957年北穂高岳滝谷グレポンを芳野満彦と初登攀。1958年石川島重工(現IHI)入社。1961年に一橋大学アンデス遠征をプロモートし、ペルーのコルディエラ・ブランカのプカヒルカ北峰6,046m初登頂、さらにボリビアに転進しアポロバンバ、ププャ山群で二つの初登頂を行う。会社生活では1962年から1994年までIHIで海外プラント・ビジネスに携わり、パキスタン、メキシコ、ニュージーランド、香港に20年余駐在する。1990年から「ヒマラヤの東」(雲南・四川・東チベット・青海・ミャンマー)の踏査を始め2011年までに中国南西辺境へ32回足を運び、成果を内外に広く発信する。その業績が評価され2003年‐日本山岳会・秩父宮記念山岳賞、2007年‐国際山岳連盟(UIAA)賞、2008年‐王立地理学協会バスクメダル(英国)、2009年‐第4回日本スポーツグランプリ受賞、2010年‐ポーランド国際探検家賞を受賞する。2001年から日本山岳会英文誌Japanese Alpine Newsの発行を始める。アルパインクラブ(英国)、アメリカ山岳会、ニュージーランド山岳会、ヒマラヤンクラブ、ポーランド山岳会、日本山岳会の6つの山岳会の名誉会員、王立地理学協会(英国)フェロー(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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