目次
第1章 奥秩父「山」(甲武信岳―地味だが奥の深い奥秩父の中核;金峰山―奥秩父逍遙の始まりを告げ、終わりを飾る山 ほか)
第2章 奥秩父「谷」(奥秩父の中の奥秩父、荒川水系の谷と里;無益な林道に脅かされる美渓、笛吹川 ほか)
第3章 奥秩父「峠」(峠道いまいずこ。奥秩父の峠の盛衰;雁坂峠―秩父往還の名にふさわしい歴史を持つ峠 ほか)
第4章 奥秩父「人」(奥秩父の山小屋。そこは森の香りがし煙臭いおやじがいるところ;甲武信岳を守り、独特の魅力を創り出してきた人々 ほか)
著者等紹介
山田哲哉[ヤマダテツヤ]
1954年東京都武蔵野市に生まれる。南北アルプス、中央アルプス、八ヶ岳、谷川岳をはじめネパールヒマラヤ、天山、パミール、アンデス、アフリカなど多くの山を歩いたあと、奥秩父をホームグラウンドとして峠越え、廃道・森林巡視路探しを行う。社会人山岳会入会の頃から荒川水系の谷を連続で溯下降し、ほぼすべての沢を踏破。1996年から山岳ガイドとして活動し、山岳ガイド「風の谷」主宰(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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タカボー
1
山小屋の話とか共感するところもあるけれど、開発イコール悪みたいな書き方にはちょっと閉口する。自然を守っていくのは当然だけど、決して山登りのために山があるわけではなく、開発も必要なことでバランスの問題だと思う。2018/04/30
北刻堂
0
奥秩父というと、著者も最初はそう思っていたという手つかずの原生林が残る人がほとんど訪れない深山という印象があるが、実は古くから、山から糧を得る人の生業の山だったのだということが心に沁みる。それにしても、40年以上もかけて奥秩父の水系をこれほどまでに緻密に遡行している人がいるということにただただ驚くばかりである。2022/05/07
Yasutaka Nishimoto
0
奥秩父の素晴らしさ、ピークハントだけでない、山歩きの楽しさが詰まっている。避難小屋巡りに心が馳せるけれど、この梅雨時期に汗だくになって行く元気はないかも… 雁坂峠に象徴される開発の後も、ひっそり静かな奥秩父であってほしいと願う。2015/06/11
Shota Kumakura
0
奥秩父山域の山、沢、峠を知り尽くした山男による奥秩父讃歌。最初は奥秩父の自然の原始性、「千年斧入らずの森」を自慢に思っていたが、当山域について調べたり実際に歩き回り知識が深まるにつれ、古くからここで生活を営んでいた人たちがいたという歴史に気がついていった、という著者の心境の変化の描写がいい。 奥秩父は炭焼きや杣師や金鉱掘りなど古くから人が入る山であった。雁坂峠は日本書紀にもその記述があるらしい。2014/06/03
yamakujira
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奥秩父への愛情あふれる視点から、変貌する山界の今昔を綴る。これだけ自然保護が叫ばれる時代になっても、日本の山は開発の波に洗われてるんだな。どうして放置するってことができないんだろう。金を生まないからか。 (★★★★★)