感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ばんだねいっぺい
24
人生の場面を切り取ったエッセイにいちいち泣かされる。最初のそで口なんて最たるもの。借金の武勇伝よりも、芝居に賭ける貪欲さ繊細さ意識の高さを盗みたいなと思いました。客席がみんな○○だったらの時代に今はもうなってるのかな。2020/07/26
浅香山三郎
18
昭和60年刊の藤山寛美の自伝的、回顧録的随筆。先に読んだ昭和50年代の2つの自伝と比べると、渋谷天外の歿後であるせいか、天外生前には遠慮しただらう評価も記してある。一篇につき三頁位、57篇からなるが、さながら松竹新喜劇の小品のやうである。57篇といふ数は、刊行年の寛美さんの歳に合はせたのであらう。 ちなみに挟まれてゐたレシートから、前の持ち主は、1989年に関東の紀伊国屋書店でこの本を買つたやうだ。1989年は平成元年(昭和64年)で、寛美さんが亡くなる前年である。2019/05/08