内容説明
巨匠ルキーノ・ヴィスコンティの絢爛たる映画芸術の全てが、遂に明らかに。オムニバス作品を含む全17作品を網羅した評論集の決定版。
目次
放浪の旅への誘い―「郵便配達は二度ベルを鳴らす」
シチリアの漁師の反抗と没落―「揺れる大地」
ローマの庶民マッダレーナの気概―「ベリッシマ」
スターの日常生活のスケッチ―「われら女性」
伯爵夫人の恋と裏切りと密告―「夏の嵐」
現代のお伽話、「白夜」の幻想性とリアリズム―「白夜」
お伽話のヒロインの性的幻想―「白夜」
南部移民パロンディ家の人々―「若者のすべて」
ミラノ貴族の結婚生活の空虚と倦怠―「ボッカチオ’70」
あるシチリア貴族の不滅の肖像―「山猫」〔ほか〕
著者等紹介
柳澤一博[ヤナギサワカズヒロ]
1954年生まれ。映画評論家。2001年、イタリア貿易振興会よりライフインIスタイル賞(映画部門)受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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caster1
0
個々の作品解説と、映画作家としての彼について。カミュ「異邦人」を映画化していたのは知らなかった。2010/07/03
Isamash
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ルキノビスコンティ監督の映画を数本、特に夏の嵐を見て、その良さが十分には分からなかったので、本書を手に取った。著者の柳澤氏によれば、夏の嵐は物凄い傑作ということである。ただ、読んでみても、彼の生涯の概略とか、全ての監督作品の出演者や製作者等周辺状況は詳しくは書かれていたものの、何故に夏の嵐がそれ程素晴らしいか、どこの部分がどう良いのか、真に何を描こうとしているのか等、自分の求めていたものは得られず、がっかりさせられた。まあ、何年かに渡って書いてきた記事を寄せ集めた本なので、無理からぬところはあるのだが。2021/02/28