内容説明
本書は、高次構造天然有機化合物の合成における戦略と合成法、特に鍵工程となる骨格構築法の設計を紹介することを目的としている。前半の第1部では生物活性化合物群の合成に有用な新しい骨格構築法の開発について、第2部では目標化合物の特徴をいかした効率的な高次構造構築法に基づく全合成研究を紹介している。単に新しい骨格構築法や生物活性化合物の合成を解説するのではなく、その研究過程における問題点の捉え方や研究の進め方も詳しく述べている。
目次
第1部 骨格構築法(オキシム誘導体を用いるアミノ化合物合成法;ポリ環状エーテル類の合成法;ケイ素‐炭素結合形成反応;立体選択的なポリオール類の合成法;ロジウム(2)錯体触媒を用いる不斉C-H挿入反応)
第2部 天然物の合成(タキサンジテルペノイド:炭素骨格構築法の開発と不斉全合成;植物生産にかかわる有用生物活性天然物の合成;生理活性物質の全合成と開発;フレデリカマイシンAの全合成;フラキノシン類の全合成;エンジイン化合物の合成;タキソールの不斉全合成)