内容説明
生き物たちは生きるための戦略の道具としてさまざまな生物活性物質を利用している。本書は、16の興味深い話題を取上げて化学戦略のしくみを解き明かし、これら化合物の探索の舞台裏でくり広げられたさまざまなドラマを臨場感をもって描きだす。
目次
化学戦略へのいざない
ジベレリン発見物語
花々を導く物質の探索
休眠のしくみを探る
植物における共存と戦いの裏に
はじめて結晶化されたホルモンをめぐって
最初のビタミンは病気から
食欲を調節するホルモン
昆虫がかたちを変えるための戦略
フェロモンは雌雄の出会いをいざなう
火落酸―清酒からの大発見
世界初の農業用抗生物質
新しい免疫抑制剤の発見
海洋生物は新たな医薬品の宝庫
フグはフグ毒をつくらない
アメリカザリガニの白い石の正体
真珠の輝きの秘密
著者等紹介
長澤寛道[ナガサワヒロミチ]
1948年福岡県に生まれる。1971年東京大学農学部卒業、1978年東京大学大学院農学系研究科博士課程修了、農学博士。佐賀県農業試験場、中国科学院北京動物研究所、東京大学農学部を経て、1994年東京大学海洋研究所教授、1997年東京大学大学院農学生命科学研究科教授、2013年東京大学名誉教授、2014年より中国浙江大学教授。専門は生物有機化学。1983年日本農芸化学会奨励賞、2011年日本農学賞・読売農学賞受賞。2012年紫綬褒章受章(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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