内容説明
覚せい剤、幻覚剤、麻薬、大麻など、快楽の追求や現実からの逃避を目的として使用される薬物は乱用薬物と総称される。薬物乱用者が引起こした事件や事故が、しばしば新聞やテレビで報道されているのに、「薬物乱用は自分とは関係のない話」と思っている人が多い。しかし、魔の手はすぐそばまで伸びてきている。本書には、現在乱用されているさまざまな薬物の化学的性状、薬理作用、中毒作用などが、科学的視点から解説されている。
目次
第1章 薬物乱用の現状
第2章 覚せい剤
第3章 あへんアルカロイド系麻薬
第4章 コカイン
第5章 幻覚剤(LSD、エクスタシーなど)
第6章 大麻
第7章 向精神薬(鎮静・催眠剤など)
第8章 シンナー
第9章 乱用薬物に挑む新しい科学的戦略
第10章 薬物乱用撲滅にむけて
著者等紹介
井上堯子[イノウエタカコ]
1946年富山県に生まれる。1968年お茶の水女子大学理学部化学科を卒業。科学警察研究所化学第一研究室長を経て、1996年~1998年3月まで同研究所法科学第三部長を務める。薬学博士。専門は化学的な知識や技術を犯罪の立証に応用する法化学。主として覚せい剤、麻薬、大麻などの規制薬物や種々の有機系毒物の分析および代謝に関する研究を行ってきた
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