内容説明
宇宙誕生のとき「ほとんど何も起こらなかった」というアトキンス博士独自の発想が、数式なしに展開される。世界のありさまを決める物理法則や物理定数は、造物主の手抜き(怠慢)で生まれ、アナーキー(無秩序)が形を整え、ときに不可知(知りようのないこと)も手を貸して仕上がった…うるわしくも複雑な宇宙とエレガントな物理法則のコアを明るみに出す力作。
目次
1章 永遠を想う―世界をつくる物理法則
2章 豊かなる虚無―物理法則のゆりかご
3章 アナーキーが生む秩序―無法が法になるしくみ
4章 元気の尺度―温度と物理法則
5章 動の世界へ―自発変化とエントロピー
6章 知を生む不可知―気体とバネの法則
7章 正負の小粒―電磁気の法則
8章 尺には尺を―物理定数の意外な素顔
9章 宇宙の鼓動―数学と物理法則
著者等紹介
アトキンス,ピーター[アトキンス,ピーター] [Atkins,Peter]
1940年英国生まれ。レスター大学化学科で学位を取得。1965年からオックスフォード大学リンカーン・カレッジに勤務(2007年退職、フェロー)。IUPAC(国際純正・応用化学連合)化学教育委員会初代委員長、IUPAC物理化学・生物物理化学部会の委員を務めた。講演のため各国をたびたび訪れ、化学を世に広く伝えた功績で2016年Grady‐Stack Award(米国化学会)受賞
渡辺正[ワタナベタダシ]
1948年鳥取県生まれ。1970年東京大学工学部卒。1976年東京大学大学院工学系研究科博士課程修了。工学博士。東京大学生産技術研究所教授(1992~2012)。2012年東京理科大学総合教育機構理数教育研究センター教授を経て、東京理科大学大学院科学教育研究科嘱託教授。東京大学名誉教授。専門は電気化学、光化学、科学教育、環境科学(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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