内容説明
本書の特徴は、最新の分子生物学の成果を踏まえながら、物質の分子構造と機能に視点をおいて、各領域の生命現象を論じ解説している点にある。随所で、X線解析によって明らかになったタンパクの分子構造や、それらの相互作用を斬新なイラストレーションとして示してあり、タンパクの機能や酵素反応のしくみの理解の大きな手助けとなっている。糖鎖生物学など、過去数年の間に新しい知見が続々と登場した領域もカバーし、さらに、生命のしくみの普遍性を指摘し、複雑で多様に見える酵素反応やタンパクの相互作用にも多くの共通性があることに気づかせてくれる。
目次
1 生命の分子設計(タンパクの構造と機能;タンパクの探求 ほか)
2 タンパク:高次構造、動態、機能(アロステリックタンパクの性質;酵素:基本概念と反応速度論 ほか)
3 代謝エネルギー:生成と貯蔵(代謝:基本概念と設計;糖質 ほか)
4 分子構築のための素材の生合成(膜脂質とステロイドの生合成;アミノ酸とヘムの生合成 ほか)
5 遺伝子:複製と発現(DNAの構造、複製、修復;遺伝子の編成変え ほか)
著者等紹介
宮下悦子[ミヤシタエツコ]
東京大学農学部卒業。訳書に『細胞の分子生物学 第3版』(教育社・共訳)
原口裕子[ハラグチヒロコ]
東京都立大学大学院理学研究科修士課程修了。訳書に『生物学と人間の価値』(オーム社・共訳)
船田晶子[フナダショウコ]
北海道大学理学部卒業。生物・医学関連翻訳会社である有限会社クォーツ取締役。訳書に『細胞の分子生物学 第3版』(教育社・共訳)ほか
田口マミ子[タグチマミコ]
理学博士。東京大学大学院理学系研究科生物化学専門課程修了。現在、理化学研究所光合成科学研究室に所属。訳書に、『細胞の分子生物学 第3版』(教育社・共訳)、『遺伝子の分子生物学 第4版』(トッパン・共訳)ほか
野高久美子[ノダカクミコ]
茨城大学理学部卒業。有限会社クォーツに所属
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