出版社内容情報
村上春樹を論じることが、そのまま自分史を語ることにつながる同世代人の村上春樹論。村上春樹の作品に繰り返し現れてくる井戸のイメージや異界にさそう『国境の南、太陽の西』の島本さんをとおして、「喪失」から「再生」の根拠を展望する。
内容説明
1990年代の村上春樹は『TVピープル』『国境の南、太陽の西』『ねじまき鳥クロニクル』『やがて哀しき外国語』を経て、どのように〔受容、異化、再構築〕を語ろうとするのか?
目次
再生の根拠―『国境の南、太陽の西』論
九〇年代の創世物語―『ねじまき鳥クロニクル』論
「僕」が消滅する世界―『TVピープル』論
私が村上春樹にこだわる理由
復活への告知―『遠い太鼓』論
薄明のストレンジャー―『やがて哀しき外国語』論
ヒステリア・シベリアナ
現代日本文学の可能性を探る
「深い井戸」というキー・ワード―村上春樹の過去、現在、未来