イスラーム原理主義の「道しるべ」―発禁“アルカイダの教本”全訳+解説

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  • サイズ B6判/ページ数 293p/高さ 20cm
  • 商品コード 9784807408153
  • NDC分類 167
  • Cコード C0014

出版社内容情報

エジプトでベストセラーになったがすぐに発禁になり、著者が死刑となったイスラーム原理主義の基本図書。「9・11」を起こしたアルカイダの教本とされている。現在も中東諸国では発禁本。

まえがき――『道しるべ』日本語版のもつ意味―――1
資本主義も社会主義も〝無明世界〟とする考え/聖戦(ジハード)としての「九・一一」という見解/イスラームの基本認識

道しるべ サイイド・クトゥブ―――7
序章

内容説明

法務大臣の友人の友人も読んでる!?幻の書を全文初邦訳。イスラム原理主義への「道しるべ」の全容が、いま明らかにされる。

目次

道しるべ(偉大な世代にかえれ―コーランの教えに帰依した比類なき世代;全人類への呼びかけを聞け―コーラン的方法論の本質;人の上に人をつくるな―イスラーム社会の特質と形成 ほか)
解説 時空を越えたクトゥブ主義(イデオロギーの衝突、文明の衝突にあらず;ムスリム同胞団の思想;自由将校団とムスリム同胞団の連帯 ほか)
解説 サイイド・クトゥブの希求した道(クトゥブの一生;クトゥブの転機;クトゥブはイスラーム法学者ではない ほか)

著者等紹介

クトゥブ,サイイド[クトゥブ,サイイド]
1906年エジプト・アシユート県に生まれる。33年ダーラル・ウルムを卒業、教育省に勤務、48‐50年アメリカ留学。帰国直後に教育省を辞しムスリム同胞団に入り、機関誌を編集する。54年ナセル暗殺未遂事件に連座して投獄され、獄中で執筆活動を続ける。64年一時釈放されるが、「道しるべ」が国家反逆罪とされ死刑判決を受け、66年刑死

岡島稔[オカジマミノル]
1944年中国・大連に生まれる。69年市立北九州大学外国語学部米英学科卒業、日本経済新聞社入社。74‐75年エジプト・カイロ・アメリカン大学アラビア語科留学。79‐83年カイロ特派員、92‐97年日経国際ニュースセンター・ニューヨーク支所長、97‐2000年日経香港社社長。2000年日経退社、関連会社勤務

座喜純[ザキジュン]
1957年カイロに生まれる。エジプト人。エジプト国立アルアズハル大学外国語通訳翻訳学部卒業。明治大学政治経済学研究科博士前期課程、中央大学法学研究科博士後期課程修了。元日本経済新聞カイロ支局記者。拓殖大学イスラーム研究所研究員、同大学政経・国際学部講師(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

ドウ

5
現代中東を学べば必ず出てくるサイイド・クトゥブ。その主張のエッセンスが見える『道標』の邦訳と、訳者二人のエッセイを収めた本。内容は「現代社会はジャーヒリーヤであり、暴力をも用いて正しいイスラーム社会を樹立すべきだ」という要約でほぼ全て語れてしまう。登録数が多いことに驚くが、この本を読む前にもっと読むべきものは沢山ある。そもそも同胞団もアルカイダもクトゥブ思想に染まり切っている訳ではない(バンナーやザルカーウィーなどイデオローグは複数いる)ので、副題や岡島の論調はミスリード。解説や語法の統一も不十分。2019/07/10

lily

5
イスラム原理主義者の「バイブル」とされる一冊。西欧諸国や現代の堕落したイスラムの有り様をジャーヒリーヤ(無明時代)と定義し、人種差別をせず、聖職者を存在しない時代に回帰することを何度も主張している。「宗教に強制は禁物」と呟くが、ジャーヒリーヤには聖戦をもって信仰させることに違和感を感じる。ただ大切なのは、著者自身は貧困層でも無教養な人間でもなく、ただの宗教者であった点である。不公正や宗教的情熱が人を駆り立てるのは人間の性である。クトゥブでなくても別の人間が現れていただろう。宗教の持つ光と闇は計り知れない。2016/11/20

kanaoka 57

4
中東の不公正な現状は、西欧発祥の思想・主義では解決できないばかりか、そのダブル・スタンダードな思想・主義、さらに背景にある誤った神の解釈(ユダヤ・キリスト教)こそが害悪の根本原因である。自ら馴染みの文化、過去の栄光のうちにこそ、解決の道があり、イスラームこそが真理である・・・と、ここまでは日本人にも共感できる。しかしシャリーアに基づかない人間社会は全てジャーヒリーヤ(無明社会)であり粉砕すべきとの矮小な認識は、広く世界を見渡せば直ちに破綻する。稲作・村社会、湿潤気候でも、アラブの過去の習慣に倣えというの?2016/03/02

可兒

4
ずっと読みたかった「イスラム過激派の父」クトゥブの絶叫。西洋文明はすでに偉大な成果を出しており我々は追いつけない、だから我々は人類普遍の原理イスラーム法の実践で長じよう、という発想に日本を含めた後進地帯共通のものを感じる。ただやはり、全体的には「なぜいまイスラームなのか」だったのが、いつのまにか「なぜイスラームが正しいのか」にすりかえられている感あり(しかも結論は「アッラーだから」だし)2010/06/15

えふのらん

3
ムスリム同胞団のプロパガンダ。原理主義者の聖典と化すほど影響力のあった本だが、良くも悪くもソ連全体主義の思想とよく似ている。階級の消滅や思想的な自由を聖戦によって獲得すべきだと主張する一方で、それらを実現し統制するシャーリアに反する思想は滅ぼされるべきだと二重規範的な見解を何食わぬ顔で提示し、西欧思想との対決をうたいながら、2015/09/26

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