出版社内容情報
アフリカ最大の国スーダンはイスラム原理主義が指導理念となり、ビンラーディンも滞在したことでアメリカの対テロ戦争の標的となった。
今、その国で、何が起ころうとしているのか
内容説明
アフリカ最大の国スーダンはイスラム原理主義が指導理念となり、ビンラーディンも滞在したことでアメリカの対テロ戦争の標的となった。今、その国で、何が起ころうとしているのか。
目次
1章 一九九〇年代のスーダン内戦
2章 イスラム原理主義
3章 国内避難民
4章 アメリカの関与
5章 石油開発
6章 「奴隷」問題
7章 今後は?
著者等紹介
富田正史[トミタマサシ]
1939年三重県生まれ。1964年京都大学文学部卒業。2000年関西大学社会学部退職。専門はエスニシティ論(多文化主義、新人種主義など)、スーダンおよびウガンダの地域研究
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感想・レビュー
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hsksyusk
2
★4つ。煽りっぽいタイトルのわりには、2001年までのスーダンをたいへんフラットに概観した内容だった。このフラットな認識というのが、現在行われている日本や欧米の報道、NGOや人権団体などのレポートからは読み取れないことばかりで、目からうろこの連続だった。アメリカが自国の利益に基づいて対スーダン政策を決め、それに沿った報道をしていること、その中でバシール政権、それを支援する中国が過剰に悪玉化されていることが見える。ただスーダン政府はこの後にダルフールのジェノサイドを行っているわけで、そこがどうも繋がらない。2010/01/05
まえちゃん
0
9.11以来、ビンラーディンも滞在したことでアメリカの対テロ戦争の標的となった。奴隷問題、内戦、難民、石油開発、根底にあるイスラム原理主義、そしてアメリカを含め諸外国との関係は・・・。今、その国で、何が起ころうとしているのか。かなり予備知識を蓄えてから読んでね。2008/11/22
ゆうろう
0
先頃クーデターが起きたスーダンの情況を知る為、以前から気になっていたこの本を手にとった。最新情報を仕入れるのには2002年の出版故不向きだが、スーダンという国のあらましを理解できた。その後、南部は南スーダンとして独立した訳だが、著者がいみじくも指摘するように、南部に安定した政権は生まれない(P 282)情況が続いている。冷戦終焉後、軍需産業が地域紛争に活路を見いだすようになった(P120)点は、平和国家?日本として何とかそれを阻止できないものか?また、民族同士の争いが続く限り、アフリカに未来はないと思う。2021/11/09
co1024
0
スーダンの内戦はイスラーム対キリスト教、アラブ人対非アラブ人というような単純化した対立項ではなく、敵の敵は味方というように、寝返りも多く、大国や周辺国の思惑も混じった複雑怪奇な構造で、沢山の一般市民の命を奪ってきたことが分かる。筆者の、アメリカの外交を一貫して厳しく批判する姿勢が印象的である。2018/11/05
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