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内容説明
1963年(昭和38年)から5年の歳月をかけて、ヨットによる初の日本一周航海を成し遂げた“アストロ”。高度成長期が始まったばかりで、まだ日本に貧しさが残る時代に、全長25フィート(約7・6メートル)のヨットを建造して航海に出たのは、定年退職した神田壱雄と助産師として家計を支えていた真佐子の夫妻であった。本書は、“アストロ”が航海を終えてから40年余りを経たのちに、神田夫妻の航海に敬意をはらうヨットマンである著者が、妻・真佐子の視点であらためて航跡を振り返ったもの。単に航海をたどるだけではなく、“アストロ”が訪れた日本各地の当時の世相を明らかにする。まだ豊かさの果実は手にしていなかったけれど、明日を信じて明るく生きていた人々。男女格差があたりまえのように残っていたあの時代―。これは、現代を生きる我々にとっての示唆に富む、一つの“文化史”である。
目次
第1章 「天の灯台」の少女
第2章 海に生きる人びと―四国一周
第3章 試練の海―本州一周の旅1
第4章 波のまにまに―本州一周の旅2 日本海
第5章 苦い海―沖縄往復
第6章 ヨット、最果てを走る―北海道一周
著者等紹介
岡敬三[オカケイゾウ]
1943年岡山県倉敷市生まれ。リタイア後はライフワークである海の文化史研究、特に現代まで続く負の文化・鎖国をさまざまな角度から考察している。日本ペンクラブ会員(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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