内容説明
遺跡は、大地に刻まれた人類の足跡であり、人類が誕生してから今日に至るまでの歴史を示しています。本書は、その遺跡調査により基づく考古学に加え、文献史学、民俗学など先学の研究成果に学びつつ、特に、自力救済という自己責任が基本原則で、生きるのが過酷だった中世を中心に、「人はなぜ“まじない”を欲し、宗教家はどのようにそれに応え、支配者はこれを利用したのか」といったように“まじない”を商品とする視点で、その需要と供給から時代観をみつめ直した一冊です。
目次
第1章 呪力の源流を求めて(人は“まじない”なし、では生きられない?;規制緩和が広めた“まじない”の世界 ほか)
第2章 支配者は欲し、宗教家は応えた(暗黒の時代がやってくる。末法の世の祈りと“まじない”;朝敵平将門を倒した“まじない”の実力 ほか)
第3章 祈りの中のまじない(神仏を駆け抜ける生と死の荒行、回峰行;神の山から仏の山へ、立山の信仰 ほか)
第4章 乱世を生き抜く力(神とまじないに守られた生命の誕生;生まれて最初に出会う“まじない”の力 ほか)
第5章 戦場とまじない(過酷な時代、“まじない”の需要を育む;いくさの勝敗を決めたマインドコントロール ほか)
著者等紹介
間宮正光[マミヤマサミツ]
1963年神奈川県生まれ。日本考古学協会会員。千葉県文化財保護指導委員。専門は日本中世史(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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ybhkr
2
まじないビジネス、というタイトルにピンと来ないかんじ。想像していたのとは違ったかも。遺跡さんぽのすすめ、のコーナーは古墳や遺跡巡りに興味を持ち始めたわたしとしては復習的な意味でよかった。当たり前なんだけど遺跡巡りに大切なことやポイントが記されている。全体的にまじないビジネスというより人々の信仰や迷信についての歴史というかんじ。信仰といっても宗教的なものよりも日本特有の八百万の神から生まれたいろいろ。陰陽師も下のほうの人間は庶民を相手に占いをしていたとか、現代にも通じていたり、残っていることも沢山あった。2015/06/15
コーンポタージュ
0
個人的には面白かったです。読みやすく、理解しやすかったです。バレンタインデーもまじないの一種だそうです。マインドコントロールの知恵の結晶。そして「まじない」ビジネスの歴史。「歴史さんぽ」と題した史跡公園などの散策を勧めるコーナももあります。2014/09/11




