内容説明
旧ユーゴで何が行われたのか。戦争犯罪国際法廷設置の礎となった貴重な証言が、同法廷の顧問によって、初めて明かされる。
目次
第1章 アイデンティティ(私自身について;M;生き残った人、世話をする人、学者、ジャーナリスト、その他 ほか)
第2章 浄化・ジェノサイド(大量虐殺)(戦争、侵略;セルビア科学・芸術アカデミー「秘密の覚え書き」;浄化・ジェノサイド(大量虐殺)の始まり ほか)
第3章 民族浄化のためのレイプ
著者等紹介
アレン,ベヴェリー[アレン,ベヴェリー][Allen,Beverly]
コロンビア大学修士課程修了。州立カリフォルニア大学で博士号修得。カリフォルニア、スタンフォード、コーネル大学などで教えた後、現在シラキュース大学教授(イタリア語・比較文学)。旧ユーゴスラヴィア戦争犯罪国際法廷(オランダ・ハーグ)顧問。比較文化研究、人権、国際法、現代ヨーロッパと国境を越えた文化・文学の分野で活躍する。民族浄化レイプの問題では新聞・テレビ・ラジオでも活躍
鳥居千代香[トリイチヨカ]
愛媛県生まれ。中央大学博士課程修了。1978~79年インド国立ジャワーハルラール・ネルー大学(J.N.U.)講師。1979年~82年国立インド工科大学(I.I.T)大学院博士課程留学。現在、ジャワーハルラール・ネルー大学社会学科博士課程研究員。帝京大学短期大学助教授
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感想・レビュー
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えそら
2
他の読者の方の感想にもあるが、フェミニストの学者の著作であるせいか事実関係や当時の各国の政治の状況などはほとんど見えてこない。 「侵略の手段として異民族の隣人を犯し妊娠させることが何故民族浄化になると考えたのか?」「半分がセルビア人男性の遺伝子でも生まれた子供は育った環境でアイデンティティを獲得するのでは無いか?」という疑問は以前から持っていたが、それも識字率約100%の現代日本で教育を受けた者の思考なのかも知れない。識字率などもこの本では言及していない。2017/09/24
ルヴナン
1
学者の仕事でもジャーナリストの仕事でもない。フェミニストとしての政治主張がテーマを曇らせており、掘り下げも浅いものになっている。翻訳にも難渋させられた、所々文章が変で誤字脱字も多い。2016/12/04