出版社内容情報
中南米コロンビアの麻薬都市メデジン。この常夏の都市のスラムでの社会活動からはじまった、元高校教師の魂の旅を描く。殺人、拷問によって傷ついた友人たち、秘密警察の影、聖母マリアの奇蹟の意味、そして「不眠猫」ナノとの運命的な出会いを描いた、異色のノンフィクション。 ★★★教育新聞評(1995年5月22日号)=一人の青年海外協力隊員の女性が見た、このコロンビアの都市「メデジン」再生へ向けた人模様。国は違えど人びとの「生」が感じられた一冊だ。★★★出版ニュース評(1995年4月中旬号)=メデジンは麻薬で名高い。テロで怖い。貧しさで世界に知られた。そこに住み込んだ元高校教師の体当たりの観察記録。自分の弱さと醜さに気づく時、他人や他の世界について寛容になれるナノの述懐は心を打つ。★★★ ●●●「あとがき」より=ある人は忽然と姿を消したきり帰らなかったり、ある人は話をすることもかなわぬまま、光の輪の中へ入っていってしまった……ラテンアメリカではそんな悲劇が現在も続いているが、彼らが内に宿していた光は、人間の恐ろしさでふくれ上がった暗闇にも燦々と降り注ぎ、ある時飛び散る閃光のように燃えた。その人たちのことを想う時、私は手を合わせ祈りを捧げたい気持ちでいっぱいになる。そして物質としては存在しない、深くはるかな領域へ想いは駆けめぐる。●●● 【主要目次】風を呼ぶコムーナ/癒しを求める群れ/本能の都市/涙を流し続ける聖母/河原者の夢/マルタ・ルシアの影/ボリヴィアへ/暗い森の子どもたち/「奇跡」の意味/不眠猫/魂の旅/光の樹
内容説明
南米最大の麻薬都市メデジンでの日々を深い祈りとともに描くハイ・スピード・ノンフィクション。
目次
風を呼ぶコムーナ
癒しを求める群れ
本能の都市
涙を流し続ける聖母
河原者の夢
マルタ・ルシアの影
ボリヴィアへ
暗い森の子どもたち
「奇跡」の意味
不眠猫
魂の旅
光の樹