出版社内容情報
門外不出とされてきた国宝・仁和寺本を底本に、中国医学理論の古典である「黄帝内経太素」を平易な現代語により全釈した。唐代楊上善の注文、著者の注を併記した。 ★★★日中文化交流評=中国医学古典の基本書。東洋科学史を知る上でも必須の文献。★★★ ●●●「まえがき」より=「素問」「霊枢」の伝来の過程で、どうしても見過ごせない一書がある。それが「太素」にほかならない。見過ごせないというのは、素・霊二書を類別編纂した「太素」こそ、現存する最古の「黄帝内経」のテキストだからである。さらに重要なことに、「太素」には楊上善という唐代初期の人物による綿密な注釈がほどこされている。中国医学史上きわめて貴重なこの「太素」は、幻の古典といってよい。のちに述べるとおり、本書は中国本土で早くに失われてしまった。ところがその抄本(写本)がたった一部、わが国京都の仁和寺に秘蔵されていたのである。江戸時代後期にそれが発見されて大騒ぎとなり、幾度も転写され活字本まで出されたにもかかわらず、門外不出の国宝に指定されたその原本は、ごく最近まで姿を公にしなかった。1981年、小曽戸洋氏を中心とした筆者を含むグループは、仁和寺の了解を得て幻の秘本の影印出版にこぎつけることができた。ここに「太素」は、ようやく永い眠りから完全に目覚めたのである。そしてこのたび、斯界の碩学小曽戸丈夫氏の御努力が実り、楊上善注を含む「太素」すべての和訳が完成するに至った。この壮挙により、「太素」は現代に蘇生したと称しても過言ではなかろう。●●● 【主要目次】▲▲巻一目次=摂生之一(欠本)/摂生之二/順養/六気/九気/調食/寿限/陰陽之一/陰陽大論/調陰陽/陰陽雑説/陰陽之二(欠本)/人合/天人合/陰陽合/四海合/十二水/蔵府之一/五蔵精神/五蔵命分/蔵府応候/蔵府気液/蔵府之二(欠本)/経脈之一/経脈連環/経脈病解/陽明脈病/経脈之二/経脈正別/脈行同異/経脈別異/十五絡脈/経脈皮部/経脈之三/督脈/帯脈/陰陽喬脈/任脈/衝脈/陰陽維脈/経脈標本/経脈根結/輸穴/本輸/変輸/府病合輸/気穴/気府/骨空/営衛気/営衛気別/営衛気行/営五十周/衛五十周 ▲▲巻二目次=経筋/骨度/腸度/脈度/診候之一/死生脈形/四時脈形/真蔵脈形/四時脈診/人迎脈口診/診候之二/色脈診/色脈尺診/尺診/尺寸診/五蔵脈診/診候之三/虚実脈診/雑診/脈論/証候之一/証候之二(欠本)/設方/知古今/知要道/知方地/知形志所宜/知祝由/知針石/知湯薬/知官能/(欠本)/九針之一/九針要道/九針要解/諸原所主/九針所象/九針之二/刺法/九針所主/三刺/三変刺/五刺/五蔵刺/五節刺/五邪刺/九刺/十二刺/九針之三/量繆刺/量気刺/量順刺/疽癰逆順刺/量絡刺/雑刺 ▲▲巻三目次=補写/天忌/本神論/真邪補写/虚実補写/虚実所生/傷寒/熱病決/熱病説/五蔵熱病/五蔵痿/瘧解/三瘧/十二瘧/寒熱/寒熱厥/寒熱相移/厥頭痛/厥心痛/寒熱雑説/癰疽/虫癰/寒熱瘰癧/灸寒熱法/邪論/七邪/十二邪/邪客/邪中/邪伝/風論/諸風数類/諸風状診/諸風雑論/九宮八風/三虚三実/八正風候/痺論/気論/三気/津液/水論/脹論/風水論/咳論/雑論/重身病/温暑病/四時之変/息積病/伏梁病/熱病為痛/脾疸消渇/胆疸/頭歯痛/頬痛/項痛/喉痺喉乾/目痛/耳聾/凝血/喜怒/疹筋/血枯/熱煩//身寒/肉爍/臥息喘逆/少気/気逆満/療エツ/腰痛/髀疾/膝痛/痿厥/リュウ洩/如蠱如姐病/癲疾/驚狂/厥逆/厥死/陽厥/風逆/風痙/酒風/経解/身度/経絡虚実/禁極虚/順時/刺瘧節度/刺腹満数/刺霍乱数/刺癇驚数/刺腋癰数/病解/久逆生病/六府生病/腸胃生病/経輸所療
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