出版社内容情報
自然哲学に立脚した古代中国の医学書「黄帝内経」のうち、診断・治療・鍼の刺法など、臨床医学を論じている「霊枢」をやさしく意釈・解説する。
巻末には、原典(霊枢経)と、霊枢を理解するうえで参考となる類経図翼(27図)を復刻掲載した。
【内容紹介】本書「まえがき」より
この書物は、現存する中国医学書の中で最古のものといわれる「黄帝内経」の中の「霊枢」を、諸家の著書を参考にしながら、自らの見解に従って意釈したもので、前著の「意釈黄帝内経素問」とあわせて、「黄帝内経」として、対をなすものであります。
「霊枢」は「素問」と同じく、著者も成立年代も不明ですが、その成立についてはいろいろの説があり、漢・隋・唐志には記載がなく、宋時代に家蔵本から発見されたとあります。しかし、その原型は遠く春秋・戦国時代にあったかもわかりません。
「素問」が、人間一般の生理・衛生などにもふれて、医学の原理をとりあつかう面が多いのに対して、「霊枢」は、鍼灸の実際的な応用面にふれることが多く、黄帝とその臣の岐伯・伯高・雷公・少兪・少師らとの問答の形式で書かれたこの両書が表裏となって「黄帝内径」をなしています。
意釈にあたっては、術語は本文中で、始めから終わりまでの間の適当なところで必ず解釈するように心がけましたから、途中をとばさずに読めば、初めての読者にも大体は理解していただけると思います。経絡の輸穴の名称と、この解釈をしてある術語を中心にして、索引を作ってあります。また、輸穴の名称は、附図でその部位が簡単にわかるようにしてあります。
本書で興味を覚えられた読者は、このシリーズの「意釈黄帝内経素問」・「意釈黄帝内経運気」・「意釈八十一難経」を併読されると、漢方医学の本来の姿に対するもっとはっきりした概念が得られると思います。
【主要目次】
九針十二原篇第一/本輸篇第二/小針解篇第三/邪気臓腑病形篇第四/根結篇第五/寿夭剛柔篇第六/官針篇第七/本神篇第八/終始篇第九/経脈篇第十/経別篇第十一/経水篇第十二/経筋篇第十三/骨度篇第十四/五十営篇第十五/営気篇第十六/脈度篇第十七/営衛生会篇第十八/四時気篇第十九/五邪篇第二十/寒熱病篇第二十一/癲狂篇第二十二/熱病篇第二十三/厥病篇第二十四/病本篇第二十五/雑病篇第二十六/周痺篇第二十七/口問篇第二十八/師伝篇第二十九/決気篇第三十/腸胃篇第三十一/平人絶穀篇第三十二/海論篇第三十三/五乱篇第三十四/脹論篇第三十五/五リュウ津液別篇第三十六/五閲五使篇第三十七/逆順肥痩篇第三十八/血絡論篇第三十九/陰陽清濁篇第四十/陰陽繋日月篇第四十一/病伝篇第四十二/淫邪発夢篇第四十三/順気一日分為四時篇第四十四/外揣篇第四十五/五変篇第四十六/本臓篇第四十七/禁服篇第四十八/五色篇第四十九/論勇篇第五十/背兪篇第五十一/衛気篇第五十二/論痛篇第五十三/天年篇第五十四/逆順篇第五十五/五味篇第五十六/水脹篇第五十七/賊風篇第五十八/衛気失常篇第五十九/玉版篇第六十/五禁篇第六十一/動輸篇第六十二/五味論篇第六十三/陰陽二十五人篇第六十四/五音五味篇第六十五/百病始生篇第六十六/行針篇第六十七/上隔篇第六十八/憂恚無言篇第六十九/寒熱篇第七十/邪客篇第七十一/通天篇第七十二/官能篇第七十三/論失診尺篇第七十四/刺節真邪篇第七十五/衛気行篇第七十六/九宮八風篇第七十七/九針論篇第七十八/歳露論篇第七十九/大惑論篇第八十/癰疽篇第八十一