鳥類生態学入門―観察と研究のしかた

鳥類生態学入門―観察と研究のしかた

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  • サイズ A5判/ページ数 193p/高さ 21cm
  • 商品コード 9784806723691
  • NDC分類 488.1
  • Cコード C1045

出版社内容情報

第一線の研究者12名が執筆を担当。鳥類生態学の最新の成果をふまえ、基礎編では鳥類の行動・食物・繁殖生活・種内社会・個体数・音声の調べ方を解説。応用編では「種子散布に見る植物との共生」「DNA多型分析の生態学への応用」ほか、大学院生や鳥の調査に携わる方々に役立つ内容を収録した。  ★★★サイアス評(1997年7月18日号)=この本は高度な観察・分析の手引書であるとともに、多少とも経験をつんだマニア向けの参考書にもなろう。★★★バーダー評(1997年9月号)=具体的な手法や方法論について述べられており、一般のバーダーにも参考になることだろう。★★★  ■■■男性(48歳)=わかりやすいまとめ方で、人に解説するとき、この本を紹介するだけで済ますことができ、重宝しています。■■■  ●●●「はじめに」より=1975年に故羽田健三博士は、「野鳥の生態と観察」を監修し築地書館より上梓した。そのとき私も筆者の一人に加えていただいたが、早いものであれから20年以上が経過した。その間、この本は中・高校生のクラブ活動などの良き手引書になってきたと聞いている。このたび、同じ出版社より「最近の鳥類生態学の進歩を取り入れ、あの本よりももう少しレベルの高い本を」という相談を受けた。そこで何人かの研究者に出版趣旨を説明して執筆を依頼した。執筆者の方々は快く引き受けてくれたばかりでなく、そのうちの幾人かの若手研究者は「大学院時代に、あの本が研究を進める上で大変参考になりました」ともいってくれた。そのようなわけで、前書が「種子」だとすると、本書はその種子から芽ぶいた「新芽」だともいえる。第1部の基礎編は中・高校生の自由研究から大学生の卒業研究に役立ててほしい。第2部の応用編は修士コースの大学院生から、最近増えてきたアセス関係で鳥の調査に携わる方々を読者対象とした。もちろん一般の鳥好きの人々にも広く読んでもらいたいことはいうまでもない。本書は単に研究のための「手引書」にとどまることなく、鳥たちの暮らしを知るためにも、読んでみて楽しい本になるように工夫したつもりである。本書を読まれた若い読者が、鳥類生態学の「花」を将来咲かせてくれることを期待している。●●●  【主要目次】▲▲第1部 基礎編=第1章・鳥類の行動の調べ方(見ること/記録すること/何を見るか/分析すること)/第2章・鳥類の食物の調べ方(直接観察法/ビデオ記録法/頸輪法/胃内容剖検法/糞分析法/ペリット分析法/炭素・窒素安定同位体比解析法)/第3章・鳥類の繁殖生活の調べ方(繁殖行動の観察テクニック/巣の見つけ方/各繁殖ステージの観察内容と調べ方)/第4章・鳥類の種内社会の調べ方(予備観察と準備/捕獲法/個体識別法/直接観察法と間接観察法/行動圏の観察法/順位の観察法/野外実験)/第5章・鳥類の個体数の調べ方=さまざまのセンサス目的/なわばり記図法/定点観察法/メッシュ法/ラインセンサス法/プロットセンサス法/多さの比較)/第6章・鳥類の音声の調べ方(観察/音声の分類法/音声の記載法/音声の録音法/音声の分析法/物理的構造の解析/行動の脈絡の解析/録音再生実験)  ▲▲第2部 応用編=第7章・研究計画法と統計検定(研究の進め方/研究計画/記述統計/統計的検定/2つのグループの比率の比較/マン・ホィットニー(Mann-Whitney)のU検定/相関関係/どのくらいのサンプル数が必要か?)/第8章・鳥類の種間社会(種間社会の調査とは/種間社会の構造/構成種個体間の相互作用/構成種個体の行動)/第9章・種子散布にみる植物との共生(植物の種子はどのように広がるのか/鳥が運ぶとどうなるのか/植物はどうやって鳥を呼ぶのか/鳥はどのように食べて運んでいるのか/乾いた果実/食べ残し型散布/付着型散布)/第10章・ホルモンと繁殖活動(内分泌活動と血中ホルモン濃度/ホルモンの測定/測定できるホルモン/血中ホルモン濃度の季節変動/血液試料/糞の利用/糞の採取とホルモンの抽出/そのほかの方法)/第11章・DNA多型分析の生態学への応用(サンプルの保存とDNAの抽出/DNA多型/サザンブロット法によるDNA多型の検出/PCR法によるDNA多型の検出/マルチローカス法からのデータの分析/シングルローカス法からのデータの分析/性判定への応用)/第12章・鳥類と人の共生を目指して(豊かな湿地環境の指標鳥、ガン/ガン類と農業との共生を目指して/今後の課題)

内容説明

本書は鳥類生態の調べ方に力点をおいている。基礎編は中・高校生の自由研究から大学生の卒業研究に、応用編は修士コースの大学院生から、最近増えてきたアセス関係で鳥の調査に携わる方々を読者対象とした。単に研究のための「手引き書」にとどまることなく、鳥たちの暮らしを知るためにも、読んでみて楽しい本になるように工夫した。

目次

第1部 基礎編(鳥類の行動の調べ方;鳥類の食物の調べ方;鳥類の繁殖生活の調べ方;鳥類の種内社会の調べ方;鳥類の個体数の調べ方;鳥類の音声の調べ方)
第2部 応用編(研究計画法と統計検定;鳥類の種間社会;種子散布にみる植物との共生;ホルモンと繁殖活動;DNA多型分析の生態学への応用;鳥類と人の共生を目指して)

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

蛸墨雄

4
第一部だけしか読んでいないが、読了とする。第2部は少々ハードルが高い。鳥好きではなくて、鳥研究家のための内容であると思う。そもそもが研究書であるのだから、当たり前か?それにしても、鳥のことにアツクなるのがおそすぎたか?高校とか中学校時代から鳥好きであったならばと思ったりもしている。まぁ、楽しもう。2021/11/04

なーり

0
趣味でバードウォッチングをしている一般人なので、許可を得て野鳥を捕獲したり、特別な機器が必要な分析法などの説明は飛ばし読み。それでも野鳥を観察する際の視点や、前提となる知識など、たいへん興味深かった。足環をつけることによって野鳥の行動が変容してしまったり、2羽が並んで羽繕いしていてもつがいとは限らず、もしかしたら縄張りの境界上で緊張関係にあるかもしれない等、思い込みによる誤認は初心者には多そう。12章の環境指標としてのガンの話と、人との共生を目指す提言は特に重要と思う。2024/05/15

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