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出版社内容情報
花、果物、樹皮などから、職人技を駆使して栽培、収穫、蒸留され、
最大80種類もの異なるエッセンスを組み合わせた香水の世界。
よりすばらしい香水を作るための天然成分を見つけるべく、著者であるドミニーク・ロークは、
ブルガリア、ラオス、エルサルバドル、インドネシア、エジプトを経由して
スペインのアンダルシアからソマリランドまでを旅しました。
彼は、インドネシアのパチョリからダマスクローズまで、
香水業界で貴重な原料について、その産地、文化的・歴史的重要性、
そして私たちがなぜそれらを愛しているかを、
自身の人生と仕事に関する思い出や考察を織り交ぜながら、文学的表現で美しく語ります。
また、香水業界は先祖伝来の伝統と技術で生き残ってきたこと、
また気候変動の脅威と闘う過程で命を危険にさらすことも多い生産者によって収穫された
植物から始まっている可能性があることなど、社会問題についても言及。
希少なエッセンシャルオイルの原料となる植物が
どのように育ち、調達されているか、香りの謎を解き明かす1冊です。
内容説明
よりすばらしい香水を作るための天然成分を見つけるべく30年にわたって世界中を旅し、150種類を超える素材から抽出したエキスを調香師のパレットに提供してきたドミニーク・ローク。美しい香りを生み出す天然素材を栽培、収集、生産、蒸留する現地の人々との触れ合い、名だたる香水を作り出してきた調香師のインスピレーションから彼が感じたこととは―。香りの原料がどのように栽培、生産、調達されているか、またそこに潜む社会問題にも踏み込んだ香りの奥深き世界を解き明かす1冊。
目次
キリストの涙 アンダルシアのシスタス
青き豊饒 プロヴァンス高地のラベンダー
薔薇でたどる四世界 ペルシャ、インド、トルコ、モロッコのローズ
シプカ峠の鳥たち ブルガリアンローズ
カラブリアの美女 レッジョ・ディ・カラブリアのベルガモット
名人と白い花 グラースからエジプトまでのジャスミン
象と祝婚 インドのジャスミン
パイオニアと3人の摘み手たち ラオスのベンゾイン
樹皮の甘やかさ スリランカのシナモン
憂鬱な熱帯の王女 マダガスカルバニラ
香りを放つ黒い葉 インドネシアのパチョリ
闇と光の大地 ハイチのベチバー
コルディエラの松明 エルサルバドルのペルーバルサム
生贄の森 ギアナのローズウッド
渡れない川 ベネズエラのトンカビーン
聖なる木 インドとオーストラリアのサンダルウッド
王たちの木 バングラデシュのウード
時が立ち止まる場所 ソマリランドのインセンス
著者等紹介
ローク,トミニーク[ローク,トミニーク] [Roques,Dominique]
スイスの香水メーカー、フィルメニッヒ(現・DSMフィルメニッヒ)の元調達責任者。30年間にわたって約50カ国を訪ね歩き、150種以上におよぶ香水のエッセンスやエキスを調達。2023年に自社バルサム・コンサルティングを設立し、香りの仕事を続ける一方、著述業にも力を入れている。現在、パリ在住
門脇仁[カドワキヒトシ]
生態学史、フランスの森と林業、環境文化論を専門とする著述家、翻訳家(英・仏)、大学教員。東京理科大、武蔵野大、東京電機大、インターナショナル・スクールオブビジネスで環境学や外国語などを担当している一方、都内のバイオテクノロジー専門学校で本書のテーマと関わる香粧品学の講義経験がある。現在、全国で各種テーマの講演活動もおこなっている(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。