出版社内容情報
山奥で行うイメージのある林業ですが、
実は都市にも街路樹や公園木、庭木など木々がたくさん存在しており、
これらの樹木を使って、緑を社会に役立つものにしようという
「都市林業」の取り組みが始まっています。
これまで都市にとっての樹木は「景観」という側面が強く、
近隣の問題などから伐採された木々は木工で扱える質ではなく
ほとんど活用されてきませんでした。
そんな都市の木々をゴミではなく活かす方法とは。
都市林業の可能性と、
都市の木々を循環させ街の暮らしを豊かにするヒントがわかる1冊です。
内容説明
都市部に植えられた街路樹や公園木、庭木は伐採された後、ほとんどがゴミとして捨てられてきた。そんな都市の樹木を眺めるだけではなく、材として活かす「都市林業」を提唱・実践する著者が都市の木々を活かし、循環させてきた取り組みを具体的に紹介。都市の木々とともに、街の暮らしを豊かにしていくヒントを伝授する。
目次
序 いまここにあるものでつくる
第一章 街の木はなぜ木材にされなかったのか(木材にされてこなかった街の木々;腐れが多い ほか)
第二章 都市林業は成立できるか?(グリーンウォッシュで成立している?;街の木を活かす事業は玉石混淆 ほか)
第三章 緑でいっぱいの素敵な街、の舞台裏(都市林業を成立させる手がかりは、街の課題のなかにある;維持管理という深刻な課題 ほか)
第四章 事例紹介 都市林業で変わる街づくり(さくら花見堂の物語;南町田グランベリーパークの物語 ほか)
第五章 三つの提案(困難さをもたらす前提条件を大きく変える;提案1 「都市林業」を街路樹で ほか)
著者等紹介
湧口善之[ユグチヨシユキ]
都市森林株式会社代表取締役/一般社団法人街の木ものづくりネットワーク代表理事。東京都生まれ。大学では西洋美術史専攻。卒業後、建築設計事務所勤務。実務と並行して世界各地を訪れ、建築および都市についての研究活動。独立後は木造建築を中心にヒノキやスギなどの国産木材活用に取り組む。その後、木工産業が盛んな岐阜県高山市に移住して木工修行。東京に戻り、街の木に着目し都市林業を構想。街の工事現場から100を超える樹種を集めて自ら製材や加工を行うことにより、通常木材として活用されていなかった多種多様な樹種についてのノウハウを蓄積。街で育ったさまざまな木々が木材となって集合する、都市の緑の縮図のような空間づくりに取り組む一方、そうした空間を生み出す過程に地域住民や関係者が参加できる仕掛けづくりや、住民参加での苗木の育成や植樹など、街の木々の新たな循環づくりに取り組んでいる(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。