内容説明
小さくて刺激的な昆虫の世界を、ファインダー越しに捉えたい!昆虫少年だった著者が、昆虫写真家とサラリーマンとの二足のわらじで生き物相手に大奮闘する30話。
目次
「時間の問題」こそ、大問題なのだ
昆虫カメラマンの住所録
声もかれるホタルの撮影
「虫屋」とは?
ぼくはなぜ「白バック写真」が上手か?
楽しい害虫駆除業務
昆虫カメラマンの仕事
大きなプロジェクトは、同時にやってくる
スリッパ履きで「アニマ賞」
意外に役立つ職場の名刺〔ほか〕
著者等紹介
森上信夫[モリウエノブオ]
1962年埼玉県生まれ。フルタイムのサラリーマンとの兼業昆虫写真家。1996年、「伊達者競演―昆虫のおなか」で、第13回アニマ賞を受賞。日本昆虫協会会員、埼玉昆虫談話会会員。立教大学卒(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
にゃんた
26
今年になり、俄然昆虫を見る目が変わり、どこででも虫を探している私にとって、この本は楽しすぎた!昆虫写真に、撮影秘話、昆虫情報、盛りだくさん。森上さん自身に関する話もこれがまた面白い。そして孫お気に入りの小学館NEOの昆虫図鑑もこの方の撮り下ろし写真が使われてたと知り、俄然親近感!大学職員と昆虫写真家という兼業で多くの実績を残されているのは、ほんとにすごい。自分ではなかなか見られない虫たちのドラマ、これからもたくさん見せて欲しい!2020/09/16
鯖
20
大学職員兼昆虫カメラマンの著者の軽めのエッセイ。おこさま向けイベントでの自著の売り上げはシャクトリムシを鼻にのっけてデレまくる等、著者と虫との写真を集めた「虫と2ショット」がダントツ。…しかしお母さま方からの受けはすこぶる悪い。オオスカシバはくちなしが庭にあるからしょっちゅう目にするんだけど、初飛行で羽根のすべての鱗粉を振るい落とすから、羽根が透明なんだね~。ちょっと感動的な写真だった。だがウチのクチナシを食べつくすのはやめていただきたい。おもしろかった。2021/03/28
やま
11
サラリーマンと昆虫カメラマンを兼業している筆者のエッセイ集。本業を持っているがゆえに苦労する姿が大変さを感じさせると共にクスッとさせられる。昆虫好きさもあいまって読んでて楽しい本。昆虫カメラマンが昆虫の知られざる生態を解き明かしたり、我々、市井の人に写真で語りかけてくれる。ウスバカゲロウの卵って優曇華の花だとずっと思っていましたが、違うカゲロウだったんですね。間違いに気づけました。2020/10/18
アカツキ
10
兼業昆虫カメラマンの著者による撮影秘話エッセイ。ユーモアのある人で話がいちいち面白い。リフレッシュ休暇を利用して海外撮影に挑んだ話で、旅行代理店の人から妻ではなく友人との同行に当惑されて思わず「奥様と一緒ではリフレッシュできません!」と言ってやろうかと思ったというエピソードに大笑い。等間隔に並んだアリジゴクの巣の写真にはゾワゾワするものがあったけれど、オオスカシバの写真はとても綺麗。花の蜜を吸っている姿はハチドリそっくりで見間違えるのもうなずける。普通に街にいるらしいけれど見たことないなぁ。2020/10/05
チェアー
9
サラリーマンと昆虫写真家(虫屋)の二足のわらじをはく筆者。昆虫なら足が多いから少し楽なのに。 昆虫がそれほど好きじゃない人(子ども)にいかに昆虫の楽しさを知ってもらうかが自分の課題だという考え方は素晴らしい。そういう考え方ができるのも、しんどいけど別の仕事を持って、違う空気を感じているからなのかもしれない。 それにしても昆虫写真家は大変なのだなあ。虫は人の都合なんてお構いなしやもんね。いつ産もうがいつ孵ろうが、彼らの勝手。その決定的瞬間をつかまえるのだから、本当に寝る間もないんだ。2020/11/18