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内容説明
28歳で新卒の新妻と手ぶら(貯金ゼロ)で東京から積雪4mの新潟・魚沼の山村(旧守門村)へ移住して25年。林業と山間地の田んぼ34枚で顧客をガッチリ掴んだ米作り(年間を通して美味しい雪室保存米)と妻のみそづくり(手作りで年間1トン)で子ども3人を育て上げ、豪雪に負けないぽつんと一軒家は地元材でセルフビルド。『動物たちに囲まれて、大自然に抱かれて、ゆったり子育て、通勤ラッシュなし(腰痛はあり)』の12ヶ月の暮らし。
目次
苗を作る
移り住んだ理由。「話が違う…」
集落の人々
香ばしき家
土の香りと田んぼ始め
まずは有機農業をやってみた
農機具の変遷を知る
炭焼き…魔性の職業?
職業選択の不自由
農林業の負の要素〔ほか〕
著者等紹介
市井晴也[イチイハルヤ]
神奈川県綾瀬市出身。日本大学文理学部哲学科を卒業。東京の環境NGOに就職。25年前、新潟県旧守門村の森林組合にて、炭焼きを始める。以来、四半世紀、山村生活を送る。家族は妻と二女一男(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
Sakie
17
何の技能も持たないまま、人間社会の行く末を憂えて、農林業従事者へ転身。人が事を始めるのに遅すぎることはないという考えに賛成だが、無鉄砲という名の踏み切りの良さを体力気力で補える若さはこのケースには必要である。林業、除雪、米づくりを柱にした設計。意識高いところから入っているので、米づくりは手植え・手刈りから入り、必要を実感しては小型、より大型の農機具へ切り替える遠回り加減に好感。これは売る米の量など、本人の目的と農地面積によって違ってくるだろう。自分の身体を使って、改めて得る種苗法や農薬への考えが興味深い。2022/10/17
四ツ谷
2
市の農林課が推薦図書として展示してあったので衝動的に手に取った。まず専業農家としてではなく、初年度は森林組合から収入を得ていることに半農で生きていく手段を垣間見た。いくつかの章末にはやって良かったことを端的に記してあって陳腐にならないようになっている。動物と暮らすことは幸福度の上昇する暮らし方なのだろう。また、住んでいる家もセルフビルドで掛かった費用も全額公表している他に年収も公表している。ただ単に移住したいとか就農したいとか言う人には良い指標になるだろう(ヽ´ω`)2022/12/11
Akira Mori
1
魚沼市のブナ林でのスノービーチ・プロジェクトも紹介され、著者の期待度が伺える。 また、多くの人から指摘されているように、木材の山からの生産には林道が大きな役割を果たすが、著者は現場で実際に働いている者の視点で林道の役割・重要性について言及している。 林道には批判される点もあるが、それは情緒的な批判であってはならない、と思う。 木材を利用するには山から搬出せねばならず、実際にやってみればわかるが、大きくて重い木は林道無くしては運び出せない。そしてそれにはコストもかかるのだと多くの人に知ってもらいたい。 2021/11/13