アジサイはなぜ葉にアルミ毒をためるのか―樹木19種の個性と生き残り戦略

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  • サイズ B6判/ページ数 216p/高さ 19cm
  • 商品コード 9784806715368
  • NDC分類 653.2
  • Cコード C0045

出版社内容情報

日本を代表する樹木19種を、「森の案内人」のエキスパートである著者が解説。身近な自然木の魅力にあっと驚く本格的な樹木ガイド。北海道から九州まで、日本を代表する樹木19種を、
「森の案内人」のエキスパートである著者が解説。
外見の特徴、他の生き物との関係、生き残るための多様な戦略――
身近な自然木の魅力にあっと驚く本格的な樹木ガイド。

はじめに

第1章 体に秘めた生きる力
ネムノキ ――働くために眠る
サザンカ ――春に咲かない謎
ガクアジサイ ――毒を捨てる技
 コラム:病原菌がつくり出す花
ヤマグルマ ――変わり者の魅力

第2章 攪乱を利用せよ
ドロノキ ――攪乱の歴史を伝える
ヤマツツジ ――火の島が生んだツツジ
ミヤマハンノキ ――破壊を創造に変える
 コラム:火星は住みやすいか

第3章 人の営みに翻弄されて
ズミ ――支えるために生きる
ウラジロガシ ――渓谷を友として
マテバシイ ――昭和の夢の跡
カナメモチ ――赤くなるのは誰のため?

第4章 生き物たちとのお付き合い
ハゼノキ ――油を売って生き延びる
 コラム:会津の漆ろうそく
イスノキ ――いつのまにか操られて
 コラム:虫こぶの効用
モチノキ ――姿かたちはつくられるもの
 コラム:カワウと樹木

第5章 気候の変化を生き抜く
アカエゾマツ ――奇跡を生んだ忍耐力
 コラム:太古の音色
ウラジロモミ ――大きな大地に助けられて

第6章 見えない敵と戦う
ホルトノキ ――危機に瀕する名木
エゾマツ ――大地にうごめく見えざる力
トドマツ ――死が支えている生命

渡辺 一夫[ワタナベ カズオ]
1963年横浜生まれ。森林インストラクター。
東京農工大学大学院修了。農学博士。
森林インストラクターとして、樹木と人間のかかわりや、
森の成り立ち・仕組みを解説する仕事をしている。
山歩きが趣味であるが、風景や樹木などを眺めているうちに時間がなくなり、
山頂まで登れなくなることも少なくない。
主著として、
『森林観察ガイド』『イタヤカエデはなぜ自ら幹を枯らすのか』
『アセビは羊を中毒死させる』『公園・神社の樹木』
『街路樹を楽しむ15の謎』(以上、築地書館)がある。

内容説明

日本を代表する樹木19種を、「森の案内人」のエキスパートである著者が解説。外見の特徴、生き残るための多様な戦略―身近な自然木の魅力にあっと驚く本格的樹木ガイド。

目次

第1章 体に秘めた生きる力
第2章 撹乱を利用せよ
第3章 人の営みに翻弄されて
第4章 生き物たちとのお付き合い
第5章 気候の変化を生き抜く
第6章 見えない敵と戦う

著者等紹介

渡辺一夫[ワタナベカズオ]
1963年横浜生まれ。森林インストラクター。東京農工大学大学院修了。農学博士。森林インストラクターとして、樹木と人間のかかわりや、森の成り立ち・仕組みを解説する仕事をしている(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

アナクマ

29
樹木の生態を戦略という語り口で紹介するシリーズ第3弾。◉例えばヤマツツジ(朱色)。全国に広まったツツジ園芸種の祖は鹿児島の霧島にあり。落葉とも常緑ともいえず半落葉性。すなわち、春の葉は秋に落ち、夏の葉は越冬する。これぞ全国に分布できる適応性の一端か。また、その霧島には当地に適応進化したミヤマキリシマ(紫色)も。火山噴火しガス・灰多く、高木の居られない荒原に咲く。上記2種は交雑しやすく、これが多様な花色を発現する素地となる。ここに未来への可能性を感じました。見てみたいし蜜を味わってみたい。2023/01/02

さきん

21
樹木というところが他にはない魅力的なところ。身近に生えながら、地味な照葉樹も何種も紹介してあって、地味な樹木に対しての関心が深まった。2018/10/03

16
11種以上のアブラムシに寄生されるイスノキが壮絶すぎた。他種のアブラムシが作った虫こぶの上に、更に虫こぶを作る専門のアブラムシもいるとのこと。卵と幼虫とサナギと成虫、全部違う種類の寄生ハチに乗っ取られるようなモンか…。アブラムシの唾液に分泌される化学物質のせいで、イスノキちゃんの細胞は肥大化して、アブラムシのおうちの虫こぶとしてふくらんじゃったり、おうちの修理しちゃったり、トイレとして自らの身体をスポンジ状に変形させたりしちゃうのだ…。植物だから、動けないし、アブラムシから逃げれない。しんどい。2017/07/23

今庄和恵@マチカドホケン室コネクトロン

10
めっさ面白かった。読後感は「生きるってなに?生かされてる?」という非常に深遠なものとなりましたよ!2017/10/04

yamakujira

4
キャッチーなタイトルはさておき、内容は副題の通りで、アジサイは紹介される19種のひとつにすぎないけれど、タイトルにするだけあってアジサイの話はおもしろかった。土壌のPHで花の色が変わることは知っていても、PHによって吸収性が違うアルミニウムが主因なのか。エゾマツとトドマツの垂直分布も、気温差だけじゃなくて、土壌細菌の分布標高差に左右されているってのは興味深い。樹木の深謀遠慮に感嘆しながらも、ヤマグルマ、イスノキ、ホルトノキなど、知らない樹木がいくつもある自分の知識不足が残念だった。 (★★★☆☆)2018/03/21

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